「i-Number」第9類「病院・医院又は薬局における薬剤業務の進捗状況を管理するためのコンピュータプログラム」等

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「i-Number」
第9類「病院・医院又は薬局における薬剤業務の進捗状況を管理するためのコンピュータプログラム」等

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-12115

◆審決日：
2016/12/07

◆関連条文：
商標法第4条第1項第15号

◆結論：
原査定を取り消す。本願商標は、登録すべきものとする。

◆理由：
原査定で示した事実によれば、NTT東日本及びNTT西日本が、一回線で2つの電話番号が利用できるサービスを「i・ナンバー」(アイナンバー)と称して、1999年(平成11年)7月5日に提供を開始し、当該サービスは、本願商標の出願時にも継続していることがうかがえる。

しかし、当該サービスについて、その契約数、売上高、固定電話回線に占める割合、広告宣伝の手段や程度等の事実が明らかでないことから、引用商標が、NTT東日本及びNTT西日本の業務に係るサービスを表すものとして、本願商標の出願時において、取引者及び需要者間に広く認識されているということはできない。

また、本願商標の出願時及び査定時において、引用商標が、その使用に係る役務について、取引者及び需要者間に広く認識されている事実を見いだすこともできなかった。

そうすると、本願商標と引用商標とが類似する商標といえるとしても、本願商標を指定商品に使用した場合、取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すると、上記NTT両社又は両社と経済的若しくは組織的に何らか関連を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとまで認めることはできない。

よって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

◆コメント
本願商標の指定役務が、引用商標を用いたサービスで行っている役務と明確に区別できるという使用実態も考慮して、本審決ではこのような判断となったのではないかと筆者は考える。

審決公報はここをクリック。

「Vシリコン」第2類「シリコン樹脂塗料」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「Vシリコン」
第2類「シリコン樹脂塗料」

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2015-6093

◆審決日：
2016/12/07

◆関連条文：
商標法第3条第1項第6号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「こごめ大福」第30類「大福」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「こごめ大福」
第30類「大福」

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-9131

◆審決日：
2016/12/09

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「MIKI Dream Passport＼ミキドリームパスポート」第39類「企画旅行の実施」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「MIKI Dream Passport＼ミキドリームパスポート」
第39類「企画旅行の実施」

◆種別と審判番号：
異議の決定
異議2016-900183

◆審決日：
2016/12/13

◆関連条文：
商標法第4条第1項第8号
商標法第4条第1項第10号
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号

◆引用商標：
1)登録第4794717号商標　（図形商標、詳細は公報参照）
2)登録第3042586号商標　「MIKI WORLD」

◆使用商標
1)「ミキ」
2)「MIKI」

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

◆結論：
登録第5839057号商標の商標登録を維持する。

◆理由：
(1)引用商標及び使用商標の周知性等について
申立人提出の証拠からは、引用商標及び使用商標の周知性は認められない。

(2)商標法第4条第1項第11号について
ア本件商標
(ア)
称呼：「ミキドリームパスポート」
観念：特定の観念を生じない

(イ)申立人は、「ミキ」及び「MIKI」が、申立人等の業務に係る役務であることを表示するものとして、及び申立人等の略称として著名であるなどとして、本件商標はその構成中「MIKI」及び「ミキ」の文字部分が注目され当該部分をもって称呼、観念される旨を主張している。

しかし、上記のとおり引用商標及び使用商標の周知性は認められず、また本件商標の構成中「MIKI」又は「ミキ」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるにる事情も見いだせない。

よって、申立人の主張は、採用できない。

イ引用商標
・引用商標1
　　特定の称呼及び観念を生じないものである。

・引用商標2
　　称呼：「ミキワールド」
　　観念：特定の観念を生じない

ウ本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
上記のとおり引用商標および使用商標の周知性は認められず、また、本件商標と引用商標および使用商標とは非類似のしょうひょうであることから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。

(4)商標法第4条第1項第8号について
上記のとおり「MIKI」及び「ミキ」の文字が、申立人等の略称として著名なものとは認められない。

これより、本件商標は、他人(申立人等)の著名な略称を含むものとはいえず、商標法第4条第1項第8号に該当しない。

◆コメント
妥当な審決であると考える。

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「TORO D’ORO」第33類「果実酒」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「TORO D’ORO」
第33類「果実酒」

◆種別と審判番号：
異議の決定
異議2016-900137

◆審決日：
2016-12-14

◆関連条文：
商標法第4条第1項第7号
商標法第4条第1項第10号
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号
商標法第4条第1項第19号

◆引用商標
登録第1589817号商標　「CONCHA Y TORO」

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

◆結論：
登録第5831613号商標の商標登録を維持する。

◆理由：
1 申立人商標の周知性について
申立人提出の証拠からは、申立人商標の周知性は認められない。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標の「TORO」が「雄牛」の意味を有するイタリア語又はスペイン語であり、「D’ORO」が「金色の、貴重な」の意味を有するイタリア語であるとしても、我が国でのイタリア語及びスペイン語の普及度を考慮するといずれも本件指定商品の需要者間に馴染みが深い語ではない。

よって、本件商標は、一種の造語として認識される。

これより、
　称呼：「トロドロ」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

(2)引用商標について
引用商標の「CONCHA」が、「貝殻」の意味を有するスペイン語であり、「TORO」が、「雄牛」の意味を有するスペイン語又はイタリア語であり、そして、「Y」の文字が、日本語の「〜と」や英語の「＆」に相当するスペイン語であるとしても、我が国でのスペイン語及びイタリア語の普及度を考慮するといずれも本件指定商品の需要者間に馴染みが深い語ではない。

よって、
　称呼：「コンチャワイトロ」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

(3)本件商標と引用商標の類否について
外観：
相紛れるおそれはない。

称呼：
構成音数、構成音に明確な差異を有するものであり、互いに聴き誤るおそれはない。

観念
相紛れるおそれはない。

よって、本件商標と引用商標は、非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、申立人商標の周知性も喪認められないことから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標は、申立人商標とは非類似の商標であり、申立人の提出に係る証拠のいずれをみても、商標権者が本件商標を申立人商標に化体した信用、名声、顧客吸引力などを毀損させ、その出所表示機能を希釈化させるといった不正の目的をもって使用すると認めるにる事実は、見いだせない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人商標はの周知性は認められず、また、本件商標と申立人商標とは別異の商標であるから、商標権者が、申立人商標に化体した信用等にただ乗り(フリーライド)し、不正の利益を得るために使用する目的で出願するなど、本件商標の出願の経緯等に著しく社会的相当性を欠くものがあるということはできず、商標権者による本件商標の使用が、商取引の信義則に反するものともいえない。

さらに、本件商標は、それ自体何らきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるものではなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものとすべき事由はなく、かつ、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

◆コメント
本件商標、引用商標とも我が国に馴染みのないイタリア語又はスペイン語からなるものであることから、当該商標を構成している語のうちの一つを要部と認定することは難しいであろう。

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「油そば」第43類「飲食物の提供」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「油そば」　（図案化、詳細は公報参照）
第43類「飲食物の提供」

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-12170

◆審決日：
2016/12/14

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「PALM HOLZ」第19類「木材」第20類「家具,ベンチ」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「PALM HOLZ」

第19類「木材」
第20類「家具,ベンチ」

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-12566

◆審決日：
2016/12/14

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「Asahi＼FRUIT JAR」第33類「フルーツジャー入りのカクテル」第43類「フルーツジャー入りのカクテル飲料の提供」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「Asahi＼FRUIT JAR」　（図案化、詳細は公報参照）
第33類「フルーツジャー入りのカクテル」
第43類「フルーツジャー入りのカクテル飲料の提供」

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-4907

◆審決日：
2016/12/16

◆関連条文：
商標法第4条第1項第11号

◆引用商標：
登録第5792606号商標　「SUNTORY＼FRUIT JAR」

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「MISTY ROSE」第3類「家庭用帯電防止剤,化粧品」等

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「MISTY ROSE」
第3類「家庭用帯電防止剤,化粧品」等

◆種別と審判番号：
異議の決定
異議2016-900232

◆審決日：
2016/12/19

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「原宿駅前広場」第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」等

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「原宿駅前広場」
第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」等

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-10823

◆審決日：
2016/12/20

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

◆結論：
本件審判の請求は、成り立たない。

◆理由：
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号にいう「役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」というには、需要者又は取引者によって、当該指定役務が当該商標の表示する場所において提供されているであろうと一般に認識されることをもってり、また、本件審決時において、本願商標が指定役務の提供の場所を表すものと取引者、需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその役務の提供の場所を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときには、その商標は商標法第3条第1項第3号に該当する(昭和61年1月23日昭和60年(行ツ)第68号最高裁判所第1小法廷判決、平成24年10月3日平成24年(行ケ)第10197号知的財産高等裁判所判決)。

(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性
本願商標は、「原宿駅の駅前広場」の意味合いを容易に認識できる。

そして、例えば、原審が例示した高円寺駅の「北口駅前広場」、「JR有楽町駅前広場」などのように、様々な駅にある駅前広場において、各種のイベントやライブ活動などが行われている実情が認められる。

そうすると、本願商標は、将来を含め、本件指定役務との関係においては、「原宿駅の駅前広場」において役務が提供されること、即ち、単に役務の提供の場所を表示したものと認識される、又はその可能性があることから、これを特定人に独占使用させることは、公益上適当ではない。

よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

◆コメント
本審決では審判官はまず「役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」の定義を「GEROGIA事件」等を引用し、説示し、その後本事案に当てはめを行っている。
本件商標「原宿駅前広場」は、指定役務との関係では明らかに役務の提供場所と言わざるを得ず、妥当な審決であったと筆者は考える。

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「宅配トランク」第20類「通信手段を備えた宅配ボックス」等第39類「荷物の保管」等

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「宅配トランク」
第20類「通信手段を備えた宅配ボックス」等
第39類「荷物の保管」等

◆種別と審判番号：
拒絶査定不服の審決
不服2016-12534

◆審決日：
2016/12/21

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「農家のたね」第31類「種子類」

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「農家のたね」
第31類「種子類」

◆種別と審判番号：
異議の決定
異議2016-900209

◆審決日：
2016/12/21

◆関連条文：
商標法第3条第1項第3号
商標法第3条第1項第6号
商標法第4条第1項第16号

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

「UNLOADCATERPILLAR」第7類「機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「UNLOADCATERPILLAR」
第7類「機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)

◆種別と審判番号：
無効の審決
無効2015-890078

◆審決日：
2016/12/22

◆関連条文：
商標法第4条第1項第15号

◆引用商標：
「CATERPILLAR」
「Caterpillar」
「キャタピラー」

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

◆結論：
登録第5432251号の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。

◆理由：
1 引用商標の著名性について
(1)請求人提出の証拠等から、引用商標はブルドーザー、油圧ショベル等の建設・土木・荷役機械器具などの商品を取り扱う分野の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。

2 本件商標の指定商品と請求人ら商品との関連性及びその需要者等について
本件商標の指定商品と請求人ら商品とは、部品と完成品との関係にあるということができ、その取引者・需要者も共通する場合があるというべきである。

3 本件商標と引用商標との類否
(1)本件商標
本件商標「UNLOADCATERPILLAR」から生ずる「アンロードキャタピラー」の称呼は10音と冗長である。

本件商標の「UNLOAD」は、我が国において知られていない英単語であるのに対し、「CATERPILLAR」は、請求人ら商品を表示するものとして、著名なものである。

そうすると、本件商標に接する取引者等は、その構成中の「CATERPILLAR」に強く注意を引き付けられ、該文字部分より生ずる称呼、観念をもって商品の取引に当たる場合も少なくないとみるのが相当である。

よって、「CATERPILLAR」の文字部分から、「キャタピラー」の称呼及び「芋虫、毛虫、チョウやガの幼虫」又は「請求人の通称」の観念を生ずるということができる。

(2)引用商標
称呼：「キャタピラー」
観念：「芋虫、毛虫、チョウやガの幼虫」「請求人の通称」

(3)本件商標と引用商標との類非
これより、本件商標と引用商標は相紛らわしい類似の商標といわなければならない。

(4)商標法第4条第1項第15号の該当性
上記のとおり、引用商標の著名性が認められ、本件商標と引用商標が類似すること等から、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

◆コメント
本件商標「UNLOADCATERPILLAR」について「UNLOAD」が我が国において馴染みのない言葉であり、取引者等は「CATERPILLAR」に注目する旨の判断には疑問が残る。
むしろ、馴染みのない語である「UNLOAD」に注目するのではないだろうか。

審決公報はここをクリック。

「SHOBEIDO」第3類「せっけん類,化粧品」等

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「SHOBEIDO」　（図案化、詳細は公報参照）
第3類「せっけん類,化粧品」等

◆種別と審判番号：
異議の決定
異議2016-900170

◆審決日：
2016/12/22

◆関連条文：
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号

◆引用商標：
登録第5038252号商標「SHISEIDO」（図案化、詳細は公報参照）

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

◆結論：
登録第5848416号商標の商標登録を維持する。

◆理由：
(1)使用商標の周知性について
申立人提出の証拠等から使用商標の周知性は認められる。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ⅰ）本件商標
称呼：「ショベイドー」
観念：特定の観念を生じない

ⅱ）引用商標
称呼：「シセイドー」
観念：「(化粧品等のブランドとしての)SHISEIDO」

ⅲ）両両表の類非
外観：
看者の注意を最も強くひく語頭部において、「SHO」と「SHI」の差異を有し、間部においても「BE」と「SE」の差異を有する等、相紛れるおそれはない。

称呼：
語頭音において「ショ」と「シ」の差異を有し、続く第2音において「ベ」と「セ」の差異を有するものであり、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおそれはない。

観念：
相紛れるおそれはない。

これより、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、使用商標と非類似の商標であって、別異の商標であることから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)申立人の主張
申立人は、本件商標と同一の商標につき、北京市第一中級裁判所に訴訟を提起したところ、本件商標と引用商標は類似である旨の判決がなされている旨述べているが、外国においてそのような裁判例があったとしても、本件の判断に影響を及ぼすものではない。

◆コメント
申立人は、本件商標と引用商標は特に外観において類似すると導きたかったようであるが、改めて審決公報にて両商標を対比すると、語頭の「SHO」と「SHI」との外観上の差異は大きく、本審決説示のとおり非類似との判断が妥当であったと筆者は考える。

審決公報はここをクリック。

「かわいいお酒」第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒」等

2017/10/28 未分類

◆対象商標：
「かわいいお酒」
第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒」等

◆種別と審判番号：
異議の決定
異議2016-900275

◆審決日：
2016/12/22

◆関連条文：
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号

◆引用商標：
登録第5384915号商標「可愛い」

＜本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる＞

◆結論：
登録第5856894号商標の商標登録を維持する。

◆理由：
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標の「お酒」は、「アルコール飲料の総称」の「酒」に、丁寧語の接頭語である「お」を付したものである。

本件商標の「かわいい」は、ごく親しまれた一種のほめ言葉として、人にも物にも使用されるものであって、「お酒」の文字を修飾するものと無理なく看取、把握されるものといえる。

よって、本件商標は、一体不可分のものとして認識され、「かわいい」の文字が強く支配的な印象を与えるとはいえない。

これより、
　称呼：「カワイイオサケ」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

(2)引用商標
称呼：「カワイイ」
観念：「小さくて美しい」

(3)本件商標と引用商標の類否
外観：
相紛れるおそれはない。

称呼：
明確に聴別することができる。

観念：
比較できないとしても、類似するものとはいえない。

よって、両商標は非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標が、周知著名性がある旨の証拠の提出をしておらず、かつ、周知著名性があったことを認め得る事実は発見できなかった。

また、本件商標と引用商標とは、非類似の別異の商標である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

◆コメント
本件商標「かわいいお酒」は指定商品との関係で「お酒」の識別力は極めて低く、「かわいい」に着目して取引に資されると言えなくもなかったのではないだろうか。

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