登録第5885317号商標の商標登録を維持する。

◆理由：

1)引用商標の周知著名性

申立人提出の証拠により、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の業務に係る船舶を表示するものとして、我が国及び外国(特に、ノルウェー)の取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。

2)商標法4条1項11号該当性

ア 本件商標について

称呼：「エイエックスバウ」

観念：特定の観念を生じない。

イ 引用商標

称呼：「エックスバウ」

観念：特定の観念を生じない。

ウ 本件商標と引用商標との類否

ⅰ）外観

両者は、「A」の文字の有無、大文字及び小文字混じりと大文字のみとの表示において相違し、外観上、明確に区別し得る。

ⅱ）称呼

両者は、語頭における「エイ」の音の有無において明らかに相違し、称呼上、明らかに聴別し得る。

ⅲ）観念

本件商標と引用商標とは、特定の観念が生じないものであるから、両者は、観念において相紛れるおそれはない。

よって、両商標は全体として非類似であり、商標法4条1項11号に該当しない。

3)商標法4条1項10号及び同項15号該当性

本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれがない非類似の商標である。

また、引用商標の週著名性は認められない。

よって、本件商標は、商標法4条1項10号及び同項15号に該当しない。

4)商標法4条1項19号該当性

引用商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたとは認められない。

また本件商標は、引用商標よりも先に使用していたといい得るも証拠もある。

よって、、本件商標をその指定商品に使用するとしても、引用商標の出所表示機能の希釈化又はその名声及び信用力にフリーライドするものとはいえないし、また、不正の目的をもって使用するものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法4条1項19号に該当しない。

◆コメント：

本件商標と引用商標の称呼であるが、やはり語頭が異なるので、明確に聴別可能であるとの判断は妥当であったと考える。

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登録第5884046号商標の商標登録を維持する。

◆理由：

1)商標法第4条第1項第11号該当性

ア 本件商標

称呼：「コアグ」

観念：特定の観念を生じない。

イ 引用商標

ア)引用商標1

称呼：「スプレーコアグ」

観念：特定の観念を生じない。

イ)引用商標2

称呼：「フォーストコアグ」

観念：特定の観念を生じない。

ウ)引用商標3

称呼：「ソフトコアグ」

観念：特定の観念を生じない。

エ)引用商標4

称呼：「ツインコアグ」

観念：特定の観念を生じない。

オ)引用商標5

称呼：「スイフトコアグ」

観念：特定の観念を生じない。

ウ 本件商標と引用商標との対比

ア)外観

本件商標と引用商標1乃至5とは、外観上、相紛れるおそれはない。

イ)称呼

本件商標と引用商標1乃至5とは、称呼上、相紛れるおそれはない。

ウ)観念

本件商標と引用商標1乃至5とは、観念上、相紛れるおそれはない。

よって、本件商標と引用商標1乃至5とは、互いに非類似の商標であり商標法4条1項15号には該当しない。

◆コメント：

引用商標1乃至5は、いずれも結合商標であったが、そのいずれもが一連一体の造語と認定された。

近年は、このような商標は分離されることは少ない傾向にある。

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登録第5707362号商標の商標登録を取り消す。

◆理由：

1 商標法4条1項11号該当性 

1)本件商標

本件商標は大書した「Dr.Coo」の欧文字と「AQUA COLLAGEN GEL」の欧文字を2段に横書きしてなり、「Dr.Coo」と「AQUA COLLAGEN GEL」とに視覚上分離して看取される。

「Dr.Coo」の部分が、いわゆる代表的出所標識ないしはハウスマークとして認識され、「AQUA COLLAGEN GEL」の部分は、個別商品を表す、ペットマークとして認識されるものというべきである。

よって、「Dr.Coo」「AQUA COLLAGEN GEL」のそれぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというのが相当である。

2)本件商標と引用商標の類否

本件商標の構成中の「AQUA COLLAGEN GEL」と、引用商標の構成中の「Aqua-Collagen-Gell」の文字部分は、その外観が類似し、称呼を同じくするものであり、しかも、本件商標と引用商標1とは、「Dr.○○」の文字が配されている点でも共通している。

さらに、引用商標が、周知性を有することも勘案するならば、本件商標の構成中の「AQUA COLLAGEN GEL」の文字部分は、申立人商品について使用される周知な「Aqua-Collagen-Gell」商標を想起させるといえるものであるから、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれがあるものといわざるを得ないものである。

よって、両商標は、これらを同一又は類似する商品に使用した場合、その商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似する商標というべきであり、商標法4条1項11号に該当する。

◆コメント：

本審決では、本願商標と引用商標が類似であると判断した要因の中で、本願商標と引用商標1とは「ドクター〇〇　アクアコラーゲンゲル」と「ドクター」も含めて共通であったことが、もっとも大きかったのではないかと考える。

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原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

◆理由：

1)本願商標

「PLAT」は「小さな地面、図面」を意味する英語として辞書に掲載されているが、我が国において、親しまれた英単語ともいい難いことから、特定の語義を想起しない造語として認識されるとみるのが相当である。

よって、

　称呼：「プラット」

　観念：特定の観念を生じない。

となる。

2)引用商標

称呼：「プラット」「プラッテ」

観念：特定の観念を生じない。

3)本願商標と引用商標の類否

ⅰ）称呼

両商標は、「プラット」の称呼を共通にする。

「プラット」と「プラッテ」においては、全体の音数が比較的短い4音中、第3音が促音であることにより明瞭に発音される「ト」と「テ」の語尾音の差異を有するものであるから、両者は明確に聴別されるものである。

ⅱ）外観

本願商標は欧文字4字、引用商標は欧文字6字であって、両商標は、「PLAT」の文字部分を共通にするが、少ない文字数にあって、語尾における「T」および「E」の有無という差異を有することからすれば、外観上、判然と区別し得る。

ⅲ）観念

両商標とも特定の観念を生ずることのないものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれがあるとはいえない。

これより、両商標は、「プラット」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観において、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれがあるとはいえないものであるから、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当であり、両商標は、非類似の商標というべきである。

よって、商標法4条1項11号に該当しない。

◆コメント：

本願商標と引用商標の称呼が共通するが、全体として非類似となった審決である。

引用商標の称呼が「プラット」よりも「プラッテ」と称呼されることの方が多いだろうと推測する。

そして、このことが全体として非類似とした判断に大きく影響したのではないかと推測する。

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◆理由：
本願商標は、全体として「体の内部から美しくなる習慣」程の意味合いを理解させるものである。

また、「サプリメント」を含む本願の指定商品の分野において、「からだの中からキレイ」に「習慣」を結合した「からだの中からキレイ習慣」の文字やこれに類する「カラダの中からキレイ習慣、体の中からキレイ習慣」等の文字が、商品の説明や、商品の宣伝文句、キャッチフレーズとして一般的に使用されている事実は発見できなかった。

これより、本願商標は、どのような商品であるかなど具体的に表すものではなく、本願の指定商品の説明や、宣伝文句、キャッチフレーズとして、取引者、需要者に理解させるとまではいえない。

よって、本願商標は、その指定商品に使用しても、商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできない。

◆コメント
本審決に説示されているとおり、「からだの中からキレイ習慣」に接した需要者等が、どのような商品かを具体的に想起するのは困難であろう。
また、「からだの中からキレイ習慣」の語が一般的に使用されている事実はなかったという点の本審決の判断に大きな影響を与えたのであろう。

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◆理由：
1)引用商標の周知著名性
引用商標は、申立人の提出に係る証拠のみによっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務又は自転車等の取扱商品を表示する商標として、日本国内及び外国のいずれにおいても、取引者、需要者間において広く認識されるに至っていたと認めることはできない。

2)商標法4条1項11号該当性
ア 本件商標
称呼：「バトウィン」
観念：特定の観念を生じない。

イ 引用商標2及び3
称呼：「ビトウィン」
観念：特定の観念を生じない。

ウ 本件商標と引用商標2及び3との類否
ⅰ）外観
両商標は、語頭の「B」及び語尾4文字の「TWIN」のつづりを共通にするとしても、2文字目の「U」と「’」(アポストロフィ)に差異があり、外観上、区別し得る。

ⅱ）称呼
両商標は、全4音中、語尾の3音を共通にするが、語頭の「バ」と「ビ」の音に差異を有するところ、この差異音は比較的強く明瞭に発音される語頭に位置し、子音「b」を同じくするものの、母音において「a」と「i」という音質、音感を著しく異にする差違を有するものであるから、共に4音という短い音構成の中ではその差異が両称呼全体に与える影響は小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。

ⅲ）観念
観念において、相紛れることはない。

よって、本件商標と引用商標2及び3とは非類似の商標であり、商標法4条1項11号に該当しない。

3)商標法4条1項15号該当性
引用商標は周知著名であったとはいえず、本件商標と引用商標は非類似であることより、出所の混同を生じさせるおそれはなく、商標法4条1項15号に該当しない。

4)商標法4条1項19号該当性
引用商標は、本件商標の登録出願日前より我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものではなく、周知著名な商標とはいえない。

また、引用商標はいずれも本件商標とは類似するものではない。

よって、本件商標は、引用商標を連想、想起するものでない以上、本件商標をその指定商品に使用するとしても、引用商標の出所表示機能の希釈化又はその名声及び信用力にフリーライドするものとはいえないし、また、不正の目的をもって使用することを意図して登録出願したものということもできず、商標法4条1項19号に該当しない。

◆コメント
本件商標の称呼「バトウィン」と引用商標の称呼「ビトウィン」との類否について、筆者も検討したが音数が4音しかない中で語頭が異なっているため、明確に聴別し得るとの結論に達した。

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◆理由：
本願商標は、構成文字全体から「原宿駅の駅前にあるステージ(舞台)」程の意味合いを想起させる場合があるとしても、直ちに本願商標の指定役務の提供の場所を表したものとして理解、認識されるものとは認められない。

また、、「原宿駅前ステージ」との文字自体が、本願商標の指定役務の提供の場所を示す語として取引上普通に使用されている事実もなかった。

他方、請求人が提出した証拠によれば、「原宿駅前ステージ」の文字は、請求人の運営する、東京都渋谷区神宮前に所在する常設の劇場の名称であることが認められ、同劇場は、少なくとも本願商標の指定役務との関係においては、請求人の運営する常設劇場の名称として、相当程度知られているといえる。

これより、本願商標は、これに接する需要者、取引者が、請求人の運営する常設劇場の名称であるものと理解するというのが相当であり、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできない。

よって、商標法3条1項3号に該当しない。

◆コメント
商標法3条1項3号に該当しない旨の審決では、通常は「具体的に商品等の品質を表したものではなく、取引上普通に使用されていない」旨の判断のみである。
しかし、本審決においては「本願商標は相当程度知られている」旨にも言及している。
仮に本願商標が商標法3条1項3号に該当したとしても、商標法3条2項を適用できる旨を暗示したのであろう。

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