◆理由：
本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当するというためには、引用商標が周知であることが要件の一つである。

しかし、引用商標の使用の時期、引用商標を使用した商品の販売数、広告等の状況等が確認できないことから、これをもって、本願商標の登録出願時において、引用商標が、IBM社の業務に係る商品「スーパーコンピュータ」を表示するものとして、需要者に広く認識されていたとはいい難い。

また、引用商標が、IBM社の業務に係る商品「スーパーコンピュータ」について、需要者に広く認識されていると認めるに­る事実を見いだすこともできなかった。

よって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

  
◆コメント
本審決では使用商標の周知性が確認できないことから、商標法第4条第1項第10号に該当しないとの判断となった。

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◆理由：
(1)本願商標について
称呼：「ミーラ」「メーラ」
観念：特定の観念を生じない

(2)引用商標について
ア 引用商標1について
称呼：「メラ」
観念：特定の観念を生じない

イ 引用商標2について
称呼：「メラ」
観念：特定の観念を生じない

ウ 引用商標3について
称呼：「メラ」
観念：特定の観念を生じない

エ 引用商標4について
称呼：「メラ」
観念：特定の観念を生じない

(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標「MEERA」と引用商標の要部である「MERA」を比較する。

外観：
両者はつづりを異にするものであり、外観において相違する。
また、本願商標と引用商標全体を比較しても、両者は構成を著しく異にするものであり、外観上明確に区別できる。

称呼：
本願商標の称呼「ミーラ」と、引用商標の称呼か「メラ」とは、その音構成が異なり、音数も相違するものであるから、明瞭に聴別し得るものである。

また、本願商標の称呼「メーラ」と、引用商標の称呼か「メラ」とは、中間音において、長音の有無の差異を有し、「メーラ」の称呼は、中間音の長音が、前音「メ」の母音(e)を長く伸ばすものであることから、滑らかに発音され聴取される。

これに対し、「メラ」の称呼は、各音が明確に発音されものである。

よって、両者の3音及び2音という比較的短い音構成において、長音の有無が称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず、両者をそれぞれ称呼しても、語調、語感が相違し、互いに聴別し得るものであるから、称呼上相紛れるおそれはない。

観念：
観念上、比較することはできない。

これより、本願商標と引用商標は、外観、称呼において明らかに異なるものであるから、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当しない。

◆コメント
本審決説示のとおり、「メーラ」と「メラ」とは明確に聴別できると筆者も考える。

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◆理由：
(1)本願商標
称呼：「パーフェクト」
観念：「完全な。最適の。」

(2)引用商標
引用商標「PERFECTO」は、「パーフェクト:両端が細くなった太めの中型葉巻」(ランダムハウス英和大辞典）として辞書に載録されているものの、我が国において一般に知られている語とは認められず、一種の造語であると理解、認識される。

よって、
　称呼：「パーフェクト」
　観念：特定の観念を生じない。
となる。

(3)本願商標と引用商標との類否
外観：
両商標には外観上以下の相違点がある。
・本願商標は7文字、引用商標は8文字であること
・語頭の「P」はいずれも大文字で記載されているが、2文字目以降は、本願商標は小文字で記載されているのに対し、引用商標は大文字で記載されていること、
・両商標とも語頭から7文字目までのスペルは同じであるものの、語尾に「O」の欧文字の有無の違いがあること
・我が国において「Perfect」の語が一般に親しまれた平易な英単語であることを考慮すると、引用商標の語尾である「O」の欧文字の有無が、外観上、際立った印象を与えること

これらの点を考慮すると、両商標は、外観上、明確に区別できる。

称呼：
同一である。

観念：
相紛れるおそれはない。

これより、本願商標と引用商標とは、「パーフェクト」の称呼が同一であるとしても、両者の外観は明らかに相違し、かつ、観念においても相紛れるおそれはなく、両商標は非類似の商標である。

よって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

  
◆コメント
筆者は初見では両商標は類似との印象を持った。
外観において、引用商標の「O」の文字はこれに接した需要者等は見落とすこともあり、明確に区別できるとまではいえないのではないかと筆者は考える。

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◆理由：
1 商標法第4条第1項第11号について
ⅰ）本件商標
称呼：「ワンダ」
観念：特定の観念は生じない

ⅱ）引用商標
引用商標1ないし3及び引用商標4の欧文字部分について
　称呼：「ワンダ」
　観念：特定の観念は生じない
となる。

ⅲ）本件商標と引用商標との類否
外観：
本願商標と引用商標1ないし3及び引用商標4の欧文字部分とは、5文字という短い構成において、注目されやすい前半部において「A」と「O」という差異を有することから、外観において、明確に区別できる。

称呼：
共通する。

観念：
相紛れるおそれはない。

これより、本件商標と引用商標とは、称呼を共通にする場合があるとしても、外観においては、明確に区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、全体として、両商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠等より、「WONDA」の文字よりなる商標は、「コーヒー飲料」について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録審決時において取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえる。

しかし、本件商標は、引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標である。

よって、その出所について混同を生ずるおそれはなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

  
◆コメント
称呼は同一であるが、全体として非類似と判断された事案である。
両商標の外観は「A」と「O」との差異のみであり、明確に区別し得るとまでは言えないのではないかというのが筆者の心証である。
ただし、最近はこのように称呼同一で外観に差異があれば全体として非類似と判断している審決が多く、直近の傾向どおりの審決といえよう。

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◆理由：
1 本件商標について
本件商標は、上段部が図形、中段部が日本語、下段部が欧文字よりなり、各構成部分のそれぞれが、視覚的に分離され、また、独立して看取されるとみるのが相当である。

本件商標「Alleanza」は、イタリア語で「同盟、協定」等の意味を有する語であるが、我が国において一般に知られている語とは認められないものであるから、これに接した需要者にとって、特定の意味を有しない一種の造語であると理解、認識される。

よって、欧文字部分からは
　称呼：「アレアンザ」
　観念：特定の観念は生じない
となる。

2 引用商標について
称呼：「アレンザ」
観念：特定の観念は生じない。

3 本件商標と引用商標との類否について
外観：
本件商標の欧文字部分「Alleanｚa」と引用商標「ALENZA」の外観を対比する。

前者の文字数は8文字であり、後者の文字数は6文字と構成文字数が異なり、かつ、前者は語頭が大文字である以外はすべて小文字で表されているのに対して、後者は語頭を含むすべての文字が大文字で表されているものである。

これより外観において、明らかな差異を有し、明確に区別できるものである。

称呼：
本件商標の欧文字部分の「アレアンザ」の称呼と引用商標から生じる「アレンザ」の称呼を対比する。
両者は、中間部の「ア」の音の有無により、その音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、互いに聞き誤るおそれはない。

観念：
また、「Alleanｚa」の欧文字と「ALENZA」の欧文字とは、前記のとおり特定の観念が生じないものであるから、観念において比較することができず、類似するとはいえないものである。

これより、本件商標構成中の「Alleanza」の欧文字部分と引用商標「ALENZA」とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないものであるから、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

4 申立人の主張
申立人は、本件商標の構成中の「Alleanza」の欧文字部分は、英語風に発音されている実情及び申立人の名称とともに使用されている状況を考慮すれば、「アレンザ」の称呼が生じるのが自然である旨主張する。

しかし、提出された証拠からは、「Alleanza」の語を「アレンザ」と称呼して使用されている実情は見受けられず、また、本件商標には本件商標権者の名称である「株式会社アレンザ・ジャパン」又は「アレンザ・ジャパン」の文字は含まれていないのであって、必ずしも同名称とともに使用されるものでもない。

また、その他、「Alleanza」の語が「アレンザ」と称呼するものとして認識される特段の事情は見いだせないことから、本件商標から「アレンザ」の称呼が生じるとする申立人の主張は採用することができない。

  
◆コメント
本件商標の「Alleanza」部分の称呼について、筆者は「アレンザ」と称呼しても良いのではないかと考える。
しかし、外観において大文字と小文字の差異、文字数の差異から明確に区別できるので、両商標が非類似である旨の結論は変わりはないだろう。

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◆理由：
(1)本件商標
本件商標は、「レロゼルドゥーテ」「Les Rose」「REDOUTE」を三段に書してなり、中段の「Les Rose」と下段の「REDOUTE」は、異なる書体で表されてはいるものの、上段の「レロゼルドゥーテ」の片仮名部分は中段及び下段の欧文字部分を一連一体とした文字部分として、その読みを特定したものと無理なく認識されるものであるから、本件商標の構成中の上記の欧文字部分は、一連一体のものとして看取されるものとみるのが相当である。

これより、
　称呼：「レロゼルドゥーテ」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

(2)引用商標
称呼：「ラルドゥート」
観念：特定の観念を生じない

(3)本件商標と引用商標との類否
外観：
明確に区別できる。

称呼：
構成音、音数などが明らかに相違するものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できる。

観念：
相紛れるおそれはない。

これより、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

  
　
◆コメント
本審決のポイントは、本件商標「レロゼルドゥーテ¥Les Rose¥REDOUTE」の中段および下段の欧文字部分が一連一体として判断された点である。
確かに上段の片仮名部分が読みを特定したものと認識されるが、それ以上に中段と下段は明らかに書体が異なり、中段と下段は分離して看取されると判断すべきであったと筆者は考える。

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◆理由：
(1)本件商標について
本件商標の「生」が、「動植物を採取したままで、煮たり、焼いたり、乾かしたりしないもの。材料に手を加えないこと。」の意味を、「ボディウォッシュ」の文字が、「体を洗うこと。」の意味を有するとしても、これらの語を連結した本件商標全体としては、特定の意味合いを認識させるとはいい難い。

また、本件商標の登録査定の日前において、その指定商品を取り扱う業界において、「生ボディウォッシュ」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべき事情は発見できなかった。

そうすると、本件商標は、特定の観念を生じない一種の造語を表したといえるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、商標法第3条第1項第6号に該当しない。

(2)申立人の主張について
申立人は、「生シャンプー」「生洗顔」「生石鹸」及び「生せっけん」の使用例を挙げて、本件商標がその指定商品の品質を表す語として理解されるものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である旨主張している。

しかし、申立人提出の証拠によっては、「生シャンプー」「生洗顔」「生石鹸」及び「生せっけん」の文字は、いずれも申立人のいう意味で取引上普通に使用されていると認めることはできないから、これら使用例をもって、本件商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるという申立人の主張は、採用することができない。

◆コメント
本件商標「ボディウォッシュ」についても、需要者が直接的かつ具体的に商品の品質を表すとは言えないであろうと筆者も考える。

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◆理由：
(1)本件商標について
本件商標「生ハンドウォッシュ」「生」が、「動植物を採取したままで、煮たり、焼いたり、乾かしたりしないもの。材料に手を加えないこと。」の意味を、「ハンドウォッシュ」が、「手を洗うこと。」の意味を有するとしても、これらの語を連結した本件商標全体としては、特定の意味合いを認識させるとはいい難い。

また、「生ハンドウォッシュ」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべき事情は発見できなかった。

そうすると、本件商標は、特定の観念を生じない一種の造語を表したといえるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る。

よって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。

◆コメント
本審決説示のとおり、「生ハンドウォッシュ」が特定の意味合いを認識させるとはいい難い、と筆者も考える。

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