◆結論：
登録第5879418号商標の商標登録を維持する。

 
◆理由：
1)商標法4条1項11号
①本件商標
称呼：「サーモソーラー」
観念：特定の観念を生じない。

 

②引用商標
称呼：「サーモソフト」
観念：特定の観念を生じない。

 

③本件商標と引用商標の類否
外観：
本件商標と引用商標は、構成中後半において「LAR」の文字部分と「FT」の文字部分が相違するものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察しても、外観上互いに紛れるおそれはない。
称呼：
その後半において「(ソ)ーラー」の音と「フト」の音の差異を有し、両称呼が7音と6音というさほど長くもない音構成からなることから、この差異が、称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、十分に聴別できるものである。
観念：
観念において相紛れるおそれはない。

 

よって、全体として非類似の商標である。

 

2)商標法4条1項15号について
申立人は、需要者の間に広く知られていることを定量的に把握できる証拠は、何ら提出されていない。
また、我が国において周知、著名であるとすべき事情は見いだすことができなかった。

 

よって、出所の混同を生ずるおそれはない。

 
◆コメント：
妥当な結論であると考える。
 

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◆結論：
登録第5876450号商標の商標登録を維持する。
 
◆理由：
1)引用商標の著名性
申立人が提出した証拠には、販売数量、売上高、シェア等引用商標の著名性を基礎付けるに­りるものがなく、著名性があるとはい認めらられない。

また、「TOTAL」の欧文字は我が国では「トータル」と読まれる英語として広く親しまれているものであり、造語よりなる商標と異なり、その独創性の程度は高いとはいえない。

よって、トタル」と称呼されて、我が国の需要者の間に広く認識されていたということはできない。

 

2)商標法4条1項11号
①本件商標
称呼：「トタチ」
観念：特定の観念を有しない。

②引用商標
いずれも
称呼：「トータル」
観念：「合計、総額」等の観念を生ずる。

 

③本件商標と引用商標との類否
外観：明らかに区別し得る差異を有する。

称呼：
「トタチ」と「トータル」は、前者が3音、後者が4音と構成する音数が異なる。
さらに、語頭音「ト」において長音を伴うか否かの差異を有し、
末尾音において、発音の方法、音質、音調等が著しく異なる「チ」と「ル」の音の差異を有する。

これらの差異音が比較的短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は極めて大きく、称呼上互いに紛れるおそれはないものである。

観念：
本件商標は、特定の観念を有しない商標であるから、引用商標とは、観念上比較することができない。

よって、本件商標と引用商標は全体として非類似である。

 

3)商標法4条1項15号

引用商標は、需要者の間に広く認識されていたものということはできず、本件商標と引用商標は非類似であるので出所について混同を生ずるおそれはない。

 

4)商標法4条1項19号
引用商標は、需要者の間に広く認識されていたものということはできず、外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めるに­りる証拠の提出はない。

本件商標と引用商標とは、非類似である。

これより、商標権者が、引用商標の著名性にフリーライドし、不正の利益を得るなど、不正の目的をもって本件商標を登録出願したということはできない。
また、不正の目的をもって使用をする商標であると認めるに­りる証拠の提出はない。

 

◆コメント：
本件商標「TOTACHI」と引用商標「TOTAL」とが類似である旨の主張は、なかなか厳しかったのではないかと考える。

 

 

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◆結論：
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
 
◆理由：

1）本願商標について
構成中の「和菓」の文字部分は、本願の指定商品である「和菓子」との関係において、該商品である「和菓子」程の意味合いを理解させる語であり、自他商品の識別標識として機能し得ないか、又は極めて弱い。
そして、「紫をん」の文字は、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。
そうすると、本願商標において、自他商品の識別標識として機能するのは、「紫をん」の文字部分にある。

よって、称呼は「ワカシオン」ほかに、要部として認識される「シオン」が生じ、特定の観念を生じない。

 

2）引用商標について
「紫苑」の文字は、「キク科の多年草」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)等の意味を有する語であり、「しおん」の文字部分は、「紫苑」の文字部分の読みを特定している。

よって、「シオン」の称呼を生じ、「キク科の多年草」の観念を生じる。

 

3）本願商標と引用商標との類否
本願商標から生じる「シオン」の称呼と引用商標から生じる「シオン」の称呼とは、称呼上、同一である。
また、観念については、類似しないものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、「シオン」の称呼において共通する場合があるが、外観において明らかな差異を有し、観念において類似しないものであるから、これらを総合して観察すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。

 

◆その他：
拒絶査定では引用商標が2つあったが、そのうち一つは本願商標の補正の結果、拒絶理由は解消された。

 
◆コメント：
称呼は共通するが、外観、観念ともに非類似で、全体として非類似と判断されたものである。
近年は称呼が共通する場合であっても、全体非類似とする場合が多く見受けられ、本件もその一つとなった。
本件においては、外観が明確に非類似で相紛れるおそれがなかったことから、この判断となったのであろう。

 

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◆結論：
登録第5878329号商標の商標登録を維持する。
 
◆理由：

1）本件商標
称呼：「ダイナフライト」
観念：特定の観念を生じない。

 

2)引用商標
称呼：「ダイナフィット」
観念：特定の観念を生じない。

 

3)本件商標と引用商標との類否
外観：両商標は、構成文字及び構成態様が異なり、外観上、相紛れるおそれはない。
称呼：両商標は、「ダイナ」の音を同じくするが、後半の「フライト」と「フィット」の音の相違により、十分に聴別できる。
観念：いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。

 

よって、両商標は全体として非類似である。

 

◆コメント：
中間音2音相違であるが、近年の審決ではこのレベルの相違であると概ね非類似と判断されるであろう。 

 

 

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◆結論：
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
 
◆理由：
1)本願商標
称呼：「ビームオン」
観念：「〜の上に光を発する」

 

2)引用商標
称呼：「ビーモン」
観念：特定の観念を生じない

 

3)本願商標と引用商標との類否
外観：非類似
称呼：非類似
観念：相紛れるおそれはない

 

よって、両商標は全体として非類似の商標である。
 
◆コメント：
引用商標「Beamon」が「ビームオン」と称呼されるかどうかが、本審決のポイントである。
筆者も検討してみたが、やはりどうしても「ビームオン」と看取することはできず、「ビーモン」と看取していた。
審判官の「ビームオン」とは称呼しないとした判断を支持する。

 

 

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◆結論：
登録第5853724号商標の商標登録を維持する。
 
◆理由：
1 「MONSTER」の文字の著名性について
申立人の提出した証拠により使用した商標はある程度知られていたものと認めることができる。
しかし、売上高を具体的に示す証拠は提出されておらず、申立人商品の我が国での販売直後に、サンプル配布が行われたとしても、その配布は、比較的若い世代が集まる繁華な所やイベント会場において、居合わせた人たちに配布されたにすぎず、モータースポーツイベントにおいて試飲が行われたとしても、その数が多いともいえない。

 

よって使用商標は我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたものとまでは認めることができない。

 

また、「MONSTER」の文字のみの使用と認め得る証拠はごくわずかであり、「MONSTER」の文字についても、需要者の間に広く認識されるに至っていたものとまでは認めることができない。

 

2 商標法4条1項11号の該当性

1)本件商標について
称呼：「ノースター」
観念：特定の観念を生じえない

 

2)引用商標1および2について
①引用商標1
称呼：「モンスター」
観念：「怪物」

②引用商標2
称呼：「モンスターエナジー」
観念：「怪物のエネルギー」

 

3)本件商標と引用商標1および2との類否
外観、称呼、観念とも相紛れる恐れがなく、非類似の商標である。

3 商標法第4条1項15号の該当性
引用商標は需要者等の間に広く認識されておらず、また本件商標と引用商標は非類似であるので、出所の混同を生じるおそれはない。

4 商標法4条1項7号の該当性
申立人が提出した証拠から、本件商標が社会の一般的道徳観念に反するものや、法律により禁止されているもの又は国際信義に反するものとすべき事情も見当たらないから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ではない。
 
◆コメント：
仮に引用商標「MONSTER」等に著名性が認められていても、本件商標と引用商標は明らかに非類似であるので、4条1項15号は認められなかったであろうと考える。

 

 

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◆結論：
登録第5870333号商標の商標登録を維持する。
 
◆理由：
1)「Land Rover」及び「ランドローバー」の語の著名性について
「Land Rover」等の語が、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、出願時及び査定時に著名性を獲得していたとは認められない。

 

2)本件商標と引用商標との類似性

 

①本件商標
本件商標は一連一体の造語である。
称呼：「ランドマスター」
観念：特定の観念を生じない。

 

②引用商標
引用商標1乃至10はいずれも、
称呼：「ランドローバー」
観念：特定の観念を生じない。
である。

 

③本件商標と引用商標との対比
外観：いずれも相紛れる恐れはない
称呼：いずれも相紛れる恐れはない
観念：いずれも比較することはできないから相紛れる恐れはない

よって、引用商標は著名性は認められず、本件商標と引用商標は非類似であるため出所の混同は生じえない。

◆コメント：
「LAND ROVER」の語の著名性認定については、認知度アンケート等を提出すればその内容次第で結果も変わったものと思われる。
しかし、本件商標と引用商標は明らかに相紛れる恐れはないため、4条1項15号の該当性の結論は変わることはなかっただろう。

 

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