◆対象商標:
「行政書士法人コスモ」
第45類「行政手続に関する助言又は代理(行政書士業務の範囲に属するものに限る)」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2017-9972
◆審決日:
2017/09/14
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標:
登録4421126号商標 「コスモ\COSMO」
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
(1)本願商標
本願商標は、同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生じる「ギョーセーショシホージンコスモ」の称呼も、無理なく一連に称呼できる。
そして、「コスモ」は、「宇宙」等の意味合いを有するものの、我が国において、一般に親しまれた語とはいえず、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識される。
また、「行政書士法人においては、その名称中に「行政書士法人」の文字を使用しなければならないことが定められている。
これより、行政書士法人の行政書士がその業務の提供において、「コスモ」のみの表記によって、その業務を行うことは、通常は想定されず、本願商標に接する取引者、需要者において、本願商標構成中の「コスモ」の部分のみによって、指定役務の出所が識別されることは、通常はない。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、その構成文字全体をもって、「行政書士法人コスモという事務所の名称」を表したものとして、認識、把握される。
よって、
称呼:「ギョーセーショシホージンコスモ」
観念:「行政書士法人コスモという事務所の名称」
(2)引用商標
称呼:「コスモ」
観念:特定の観念を生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否
外観:
明確に区別できる。
称呼:
両商標は、「コスモ」の音を共通にするものの、「ギョーセーショシホージン」の音の有無に加え、全体の構成音数、構成音に明らかな差異を有するものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できる。
観念:
相紛れるおそれはない。
よって、本願商標と引用商標とは、非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
◆コメント
「行政書士法人」は指定役務との関係で識別力が弱く、これに接した取引者、需要者は「コスモ」に着目して取引に資するとして、本審決とは逆の判断もあったのではないだろうか。
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