◆対象商標:
「e-文書保存ソリューション」
第9類
第42類
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2016-10829
◆確定日:
2017/06/26
◆関連条文:
商標法3第1項3号
商標法4第1項16号
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
1) 商標法3条1項3号の該当性
本件商標の構成中、
「e-」は「電子の、インターネットの」を意味し、
「文書」は「文字や記号を用いて人の意思を書きあらわしたもの。」を意味し、
「保存」は「そのままの状態を保って失わないこと。原状のままに維持すること。」を意味し、
「ソリューション」は「問題解決」などを意味する語として、
いずれも一般に親しまれよく知られた語からなる。
また、「e-文書」は「電子化された文書(電子文書)」を意味する語として普通に使用されている。
これより、本願商標「e-文書保存ソリューション」は「電子化された文書(電子文書)の保存に関する問題解決」程の意味合いを容易に理解、認識させるものと認める。
さらに、「ソリューション」が、本願商標の指定商品又は役務との関係において、「○○ソリューション」と称して使用されている事実がある。
よって、これに接する需要者等は、「e-文書保存ソリューション」から「電子化された文書(電子文書)を保存する際に生じる問題を解決するための商品あるいは役務」程度の意味合いを表す、商品の品質あるいは役務の質を表示したものと認識、理解するというのが相当である。
本願商標は、商品の品質あるいは役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
2)商標法4条1項16号の該当性
本願商標は、「電子化された文書(電子文書)を保存する際に生じる問題を解決するための商品あるいは役務」程度の意味合いを表す、商品の品質あるいは役務の質を表示するものと認識される以上、そのような商品あるいは役務以外の指定商品あるいは指定役務に本願商標を使用した場合には、商品の品質あるいは役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
本願商標は、商標法第4条第1項第16号にも該当する。
◆コメント
本願商標「e-文書保存ソリューション」をそのまま使用している事例はなかったが、多くの使用例から商標法3条1項3号に該当する旨、導き出しており、納得感のある審決であると感じる。