◆対象商標:
「SPADEWORKS」 (図形商標、詳細は公報参照)
第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2017-6583
◆審決日:
2017/07/14
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標 「SPADE WORK」
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
称呼:「スペードワークス」
観念:特定の観念を生じない。
イ 引用商標について
称呼:「スペードワーク」
観念:特定の観念を生じない。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
外観:
本願商標の「SPADEWORKS」の文字部分と、引用商標「SPADE WORK」の文字の相違点は、本願商標の末尾の「S」及び引用商標の中央にあるスペースの有無にすぎないから、極めて類似する文字構成といえるものであって、両者は、外観上、類似するものである。
称呼:
本願商標の称呼「スペードワークス」と引用商標の称呼「スペードワーク」を比較すると、両称呼は、語頭から7音までの「スペードワーク」の音を共通にし、わずかに末尾の「ス」の音の有無に差異を有するにすぎない。
この差異音は、聴取され難い語尾に位置し、破裂音「ク」に続いて弱く発音されるものであるから、その差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きいものとはいえず、両称呼は、互いに聴別し難いものであるから、称呼上、類似するものである。
観念:
比較することができない。
これより、本願商標「SPADEWORKS」の文字部分と引用商標「SPADE WORK」とは、外観及び称呼が類似するものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定役務中の「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等と、引用商標の指定商品中の「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類」等とは、小売等の役務と商品という関係にあるものの、その対象となる商品を共通にするものである。
これらの商品の小売等役務と、その商品の販売は、一般的には同一事業者によって行われることが多いことからすると、役務の提供場所と商品の販売場所とを同一にする場合が多く、取引者、需要者を共通にするものであるから、上記した本願の指定役務と、引用商標の指定商品とは、類似するものである。
これより、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
◆コメント
外観および称呼の類似認定について、強引な面があったように考える。
特に外観においては、「SPADE」と「WORK」の語の間の空白部の有無が看者にあたえる影響は大きく識別し得るものと筆者は考える。