◆理由：
本願商標の「健康」が「身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと。」の意味を、「プラス」が「加えること。足すこと。」の意味を有する語として、いずれも一般に知られた語であるとしても、これらを組み合わせてなる本願商標の構成全体から、特定の意味合いを理解、認識させるとまではいい難い。

また、本願の指定商品を取り扱う業界において、「健康プラス」の文字が、商品の用途、品質を表示するものとして普通に用いられていると認めるに足る事実も見いだせない。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が商品の用途、品質を表示したものと認識することはないとみるのが相当である。
 
よって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない。

◆コメント
原査定では、本願商標が構成全体として「健康を加えること。健康に有利なこと」等の意味合いを容易に理解させるものあるとのことから、商標法第3条第1項第3号に該当するとされたが、この意味合いからは商品の品質、効能等を直接的かつ具体的に表しているとはいえないであろう。

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◆理由：
本願商標は、「販売」、「心理学」及び「プログラム」の文字が、それぞれ、広く親しまれた語ことから、一見して各語を一連に結合したものと容易に把握される。

そして、「販売心理学」の文字は、その「販売」の語に関連して、商品及びサービスの販売のための営業に係る分野において、「商品及びサービスの販売の際に用いられる心理学」ほどの意味合いで使用されている事実がある。

また、「販売心理学」は、本願指定役務中の「知識の教授,セミナー及び研修の企画・運営又は開催」及び教材を取り扱う業界(以下「本願指定役務等関係業界」という。)においても、上記の意味合いで使用されている事実が見受けられる。

さらに、本願指定役務等関係業界においては、「販売心理学講座」、「販売心理学セミナー」及び「販売心理学研修」の文字が、それぞれ、「商品及びサービスの販売の際に用いられる心理学に関する講座、セミナー又は研修」の意味合いを表す語として使用されている事実がある。

加えて、「心理学プログラム」の文字は、本願指定役務等関係業界において、「心理学に関するプログラム」ほどの意味合いで使用されている事実がある。

そうすると、本願商標は、これをその指定役務中の「知識の教授」等に使用した場合には、これに接する需要者、取引者は、「商品及びサービスの販売の際に用いられる心理学に関するプログラム」であることを理解、認識するにとどまり、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。

よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、上記以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

◆コメント
「販売心理学プログラム」という語自体の使用例は見受けられないが、「販売心理学」および「心理学プログラム」の使用例が見受けれることを一因として、商標法第3条第1項第3号および商標法第4条第1項第16号に該当するとされた事案である。
他の事案では、使用例がないことを一因として商標法第3条第1項第3号に該当しないと判断された例も散見するため、筆者としては釈然としないものを感じる。

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◆理由：
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生じる「ガッシュクメンキョワカバ」の称呼も、無理なく一連に称呼できる。

「合宿免許」は、「合宿をして免許を取得すること」の意味合いを認識させ、「わかば」は、「若葉」を意味し、両語を結合させた「合宿免許わかば」の文字全体は、特定の意味合いを理解させるとはいえない。

また、本件商標は、その構成中の一部に着目して取引にあたるものというよりも、むしろその構成全体をもって、取引に資されるものというのが相当である。

これより、
　称呼：「ガッシュクメンキョワカバ」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

(2)引用商標について
引用商標は、同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生じる「ワカバジドウシャガッコウ」の称呼も、無理なく一連に称呼できる。

「わかば」は、「若葉」を意味し、「自動車学校」が、「自動車運転の教授」等の役務を提供する学校(自動車教習所)の名称を表す語として使用されているものであり、本件商標は、その構成文字全体をもって特定の自動車学校の名称を表したものとして、取引者、需要者に理解されるものであるから、その構成全体を持って、一体不可分のものと認識、把握されるものというのが相当である。

これより、
　称呼：「ワカバジドウシャガッコウ」
　観念：「わかば自動車学校という自動車学校の名称」
となる。

(3)本件商標と引用商標の類否について
外観：
明確に区別できる。

称呼：
両者は、「ワカバ」の音を共通にするとしても、「ガッシュクメンキョ」及び「ジドウシャガッコウ」の音に、明らかな差異を有するものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できるものである。

観念
相紛れるおそれはない。

これより、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の著名性について
申立人提出の証拠から、引用商標の著名性は認めることはできない。

(2)出所の混同について 
本件商標と引用商標とは類似しない、別異の商標であり、また、引用商標の著名性は認められないことから、その出所について混同を生じさせるおそれはない。 

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 

  
◆コメント
「合宿免許」「自動車学校」ともに、指定役務との関係では識別力が弱いものと筆者は感じているが、本審決ではそのような判断とはならなかった。

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◆理由：
1 「ORGANO」及び「オルガノ」の周知著名性について
申立人提出の証拠等により、「オルガノ」及び「ORGANO」のは、申立人の略称であるほか、申立人のハウスマークとして、申立人の純水製造装置、超純水製造装置、排水処理装置等の商品を含む水処理関連事象及び該事業に伴うイオン交換樹脂、水処理薬品等の商品を含む薬品事業を表示する商標として、周知著名性が認められる。

2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、同書、同大、同間隔でまとまりよく表されており、「オルガノプレート」の称呼も一連に称呼し得る。

そうすると、本件商標は、「ORGANOPLATE」の構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し、把握されるとみるのが自然である。

よって、
　称呼：「オルガノプレート」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

なお、申立人は、「PLATE」が「培養皿」の意味をも有し、指定商品との関係で自他商品の識別力が極めて乏しいことから、「ORGANO」の文字部分が本件商標の要部である旨主張する。

しかし、「PLATE」は、一般的には「板、皿」の意味を有する英語として我が国において広く知られている語であり、この文字部分が直ちに商品の原材料又は品質等を表示させる文字として認識されるとも言いがたく、一連にまとまりよく構成された本件商標から「PLATE」を捨象して「ORGANO」の文字のみをもって取引に資するとは認め難い。

(2)引用商標について
称呼：「オルガノ」
観念：特定の観念は生じない。

(3)本件商標と引用商標の類否について
外観：
判然と区別し得る。

称呼：
両商標の称呼は、構成音数が異なるばかりでなく「プレート」の音の有無という顕著な差異により、全体の音感、音調が著しく相違し、容易に区別することができるものである。

観念：
両者は観念上類似するとはいえない。

よって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れることのない非類似の商標とであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号について
「ORGANO」及び「オルガノ」の周知著名性は上述のとおり認められる。

しかしながら、「ORGANO」及び「オルガノ」は、同様に本件商標とは、十分に区別できる別異の商標と認められる。

よって、その商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

  
◆コメント
本審決のポイントは、本件商標「ORGANOPLATE」の要部が「ORGANO」であると判断されなかったことにある。
本審決で説示のとおり、「PLATE」の語は指定商品との関係で識別力が弱いとは言えず、また「ORGANO」と「PLATE」との間にも空白もない等から、「ORGANO」が要部とはいえないであろう。

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◆理由：
1 本件商標について
本件商標は、別掲左側の図形部分と右側の文字部分は、やや間隔を置いて配されており、それぞれが視覚上分離、独立して認識、看取されるものであると認められる。

また、右側の「うのいけ」の文字部分は、下段の「鵜の池」の文字部分の読みを表してなるものとみるのが自然であり、上段の「ジョイフルフアーム」の文字部分と下段の「鵜の池」の文字部分は、字形も字の大きさも異なることから、それぞれが視覚上分離、独立して認識、看取されるものであると認められる。

そうすると、本件商標の図形部分と文字部分及び上段と下段の文字部分は、これらいずれもが本件商標の要部として、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る。

よって、
　称呼：「ウノイケ」「ジョイフルフアーム」
　観念：特定の観念を生じない
となる。

2 引用商標について
(1)引用商標1について
称呼：「ジョイファーム」
観念：特定の観念を生じない

(2)引用商標2について
称呼：「ジョイファーム」
観念：特定の観念を生じない

(3)引用商標3について
称呼：「ジョイファーム」
観念：特定の観念を生じない

3 本件商標と引用商標との類否について
外観：
判然と区別し得る。

称呼：
本件商標の「ジョイフルフアーム」の称呼と引用商標の「ジョイファーム」の称呼とを比較すると、構成音数において差異を有するものであるばかりでなく、両者は中間における「フル」の音の有無及び「フア」と「ファ」の音の差異を有するものであるから、これらの差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼した場合は、語調、語感が異なり、称呼上、両者は十分に聴別し得るものである。

観念：
比較することができない。

これより、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

  
◆コメント
本件商標の称呼「ジョイフルフアーム」と引用商標の称呼「ジョイファーム」との類否判断がポイントの一つであったが、中間音の「フル」の有無の差異が大きく影響し、昼維持と判断は妥当であろう。

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