◆理由：
(1)商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号該当性
本願商標の「東京」は、「日本国の首都」を表すものであり、「ブッラータ」は、「モッツァレラをクリームとともに袋状にしたモッツァレラに包んだもので、イタリア・プーリア州が発祥の伝統的なチーズ」を指称するものである。

よって、「ブッラータ」は、取引者、需要者が上述の品質を有するチーズ、すなわち、「ブッラータ」であることを認識するものである。

これより、本願商標は、これをその指定商品中の「チーズ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「東京で製造、販売されているブッラータ」であることを認識させるにすぎないもの、すなわち、商品の産地、販売地又は品質を表示するにすぎないものといわなければならず、商標法第3条第1項第3号に該当する。

また、本願商標は、その指定商品中の「チーズ」以外の商品に使用するときは、これが「ブッラータ」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあることから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張
請求人は、「ブッラータ」がチーズの一種として需要者一般に知られているものではなく、一般には知られていない、東京では入手困難なチーズの名称を「東京」と結合させた本願商標「東京ブッラータ」は、一体的な表示として、その構成自体に識別力がある旨主張する。

しかしながら、「ブッラータ」が「モッツァレラをクリームとともに袋状にしたモッツァレラに包んだもので、イタリア・プーリア州が発祥の伝統的なチーズ」を指称するものであり、これを「東京」と結合させたとしても、自他商品識別力は認められないことは、前記のとおりである。

  
◆コメント
筆者は「ブッラータ」の語は完全に馴染みのない語であった。
しかし、インターネット上で検索すると多数抽出され、本審決説示のとおりであった。

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原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

◆理由：

(1)本願商標

本願商標の文字部分は、スペースを介した前後で文字の太さに差はあるものの、同じゴシック体により、同じ大きさで表され、横長の帯状に表された図形部分と同じ幅、同じ色彩をもって表されていることから、全体としてまとまりのよい一体的な印象を与えるものである。

また、本願商標の文字部分から生じる「アイバランスアドバンスト」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。

よって、

　称呼：「アイバランスアドバンスト」

　観念：特定の観念は生じない

となる。

(2)引用商標

ⅰ）引用商標1

称呼：「アイバランス」

観念：「目のバランス(均衡)」

ⅱ）引用商標2

称呼：「アイバランス」

観念：特定の観念は生じない

(3)本願商標と引用商標との類否

外観：

外観上、判然と区別できる。

称呼：

「アイバランスアドバンスト」の称呼と、「アイバランス」とを比較すると、両称呼はその音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから、両者は、それぞれを一連に称呼しても、称呼上、互いに聞き誤るおそれはない。

観念：

観念において相紛れるおそれはない。

これより、本願商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないものであるから、非類似の商標というべきであり、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

◆コメント：

本願商標の「Advanced」という語については、広く知られている語というよりは、指定商品役務との関係で品質、質等を表しておらず、本願商標の要部を「i Balance」とは認定できないということではないかと考える。

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