◆結論：

原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

 

◆理由：

本願商標の上段の「デザイナーズスタイル」は、下段の「DESIGNER'S STYLE」の読みを表したものと認識される。

　

下段の「DESIGNER'S STYLE」の文字中の「'S」の文字部分は、所有格を表す文字として、一般に広く知られているものである。

　

これより本願商標は、構成全体から「デザイナーによる様式」ほどの意味合いを認識させる場合があるものの、原審説示のように、美観や機能性に優れたデザイナーの手による商品であることを理解させ、商品の優位性を表示するための売り文句の一種として認識されるものであるとまではいい難い。

　

また、「デザイナーズスタイル」と「DESIGNER'S STYLE」の文字のいずれについても、本願の指定商品を取り扱う業界において、原審説示のように、美観や機能性に優れたデザイナーの手による商品であることを理解させるような商品の優位性を表示するための売り文句の一種として、一般に使用されている事実を発見することができなかった。

　

よって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当しない。

 

 

◆コメント：

本審決説示のとおり「DESIGNER'S STYLE」からは、優れたデザイナーによるものであるとりかいさせるとまでは言い切れないと考える。

妥当な審決であると筆者は考える。

 

 

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◆結論：

原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

 

◆理由：

1)本願商標について

本願商標「TOYO FRAME」「TOYO」と「FRAME」の間に1文字分のスペースを有するものの、同書、同大からなり、外観上、まとまりよく一体的に表してなる。

　

そして、「トーヨーフレーム」又は「トヨフレーム」の称呼は、格別冗長というべきものでもなく、よどみなく一連に称呼し得る。

　

そして、「TOYO」は、「東洋」、「灯用」、「当用」、「盗用」、「登用」等の語の読みを表す欧文字であるところ、中でも「東洋」の語が一般に親しまれていることを考慮すると、当該文字部分より、「ユーラシア大陸の東部の地域。アジアの地方。」の意味を有する。

　

そうすると、本願商標は「FRAME」が、「物の周囲を囲む物。枠。縁。額縁。建造物・機械などの、骨組み・枠組み。」の意味のほか、「自転車・自動車などの車体枠」の意味を有するとしても、この文字部分が商品の品質等を直接的に表示するものとして認識されるとはいい難い。

　

また、「TOYO」の文字部分のみをもって取引に資するとみるべき特段の事情も見いだし得ない。

　

よって、本願商標は、その構成全体をもって、特定の語義を有することのない語句を表したものとして認識されるというのが相当であるから、その構成全体に相応する「トーヨーフレーム」又は「トヨフレーム」の称呼のみを生じ、特定の観念を生ずることはない。

　

(2)引用商標について

称呼：「トーヨー」「トヨ」

観念：「ユーラシア大陸の東部の地域。アジアの地方。」

　

(3)本願商標と引用商標との類否について

外観：

本願商標と引用商標は、「FRAME」の語の有無において著しい差異があるから、両商標は明確に判別される。

　

称呼：

明確に聴別される。

　

観念：

相紛れるおそれはない。

　

よって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

　 

　 

◆コメント：

本審決のポイントは、本願商標「TOYO FRAME」が一連一体の商標であると認定された点にある。

本審決では「FRAME」が指定商品との関係で商品の品質等を直接的に表示するものとして認識されるとはいい難いと認定されたが、カタカナの「フレーム」であればどうであったであろうか。

結論は違ったものになったのではないかと筆者は考える。

 

 

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◆結論：
登録第5938227号商標の商標登録を維持する。
 
◆理由：
(1)本件商標
称呼：「ユメ」
観念：「夢」
　
(2)引用商標
称呼：「ドリーム」
観念：「夢」
　
(3)本件商標と引用商標との類否
外観：
両者は、構成文字に顕著な差異を有し明瞭に区別できる。
　
称呼：
両者は、構成音が明らかに異なり相紛れるおそれはない。
　
観念：
両者は「夢」の観念を共通にする。
　
これより、本件商標と引用商標とは、観念を共通にするものの、外観においては明瞭に区別でき、称呼においては相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。

　
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

  
◆コメント
外観、称呼の非類似が、観念の同一を凌駕しており全体として非類似と判断された事案である。
妥当な審決であったと考える。

 

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◆結論：
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
　
◆理由：
本願商標「塩砂糖」は、「塩」の語と「砂糖」の語を組み合わせてなるものと看取、理解されるとはいい得るものの、その構成全体をもって、特定の意味合いを生じる語として認識されるとまではいい難い。
　
また、本願の指定商品を取り扱う業界において、「塩砂糖」の文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして一般に使用されていると認めるに足る事実は発見できなかった。
　
よって、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質等を表示するものということはできないから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもない。
　
よって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当しない。
  
　
◆コメント
原査定では、「これに接する需要者、取引者は、『塩入りの砂糖』ほどの意味合いを容易に理解し、商品の品質を表示するものと認識する」旨、認定されていたが、本審決では「特定の意味合いを生じる語として認識されるとまではいい難い」と認定された。
筆者は、本願商標に接した際に、「塩」と「砂糖」のどちらがメインとなるのかと自問していた。（指定商品を確認してこの自問は解消されたが）
よって、具体的に商品の品質を表示しているとは言い難く、妥当な審決であったと考える。
　
　
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