◆理由：
本願商標は、その構成が「蕎麦」の文字と「石はら」の文字からなり、「石」の文字部分において、その第1画目及び「口」の部分が下向きの円弧を用いて独創的に表示されているものであり、また、本願商標の構成全体としてもまとまりのある一体の固有の標章として認識されるものとみるのが相当である。

これより、本願商標は、視覚上特異な形象による店名として看取されるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。

よって、商標法3条1項6号には該当しない。

◆コメント
本願出願は、図案化しているため商標法3条1項6号のみならず商標法3条1項4号にも該当せず登録となった。

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◆理由：
1）本願商標と引用商標3について
ア 本願商標 
本願商標は、「WONDA」を、大きく太い白抜き文字で書し、その下段に、「WONDERFUL COFFEE」の文字を、小さい白抜き文字で書し、さらに、該文字の右横にコーヒー豆と思しき図形を白抜きで表してなる。

「WONDA」と「WONDERFUL COFFEE」とは、両者の文字の大きさ、書体の相違から、視覚上、分離して看取され、また、「WONDA」は、辞書等に記載のない語であって、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識される。

「WONDERFUL COFFEE」は、「素晴らしいコーヒー」程の意味合いを理解させるものであって、本願の指定商品である「清涼飲料」等との関係においては、自他商品の識別力がないか、又は、極めて弱いものと判断するのが相当である。

これより、「WONDA」が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、取引に資されると考えられる。

よって、
　称呼：「ワンダワンダフルコーヒー」「ワンダ」（「WANDA」が要部であるため）
　観念：特定の観念を生じない
となる。

イ 引用商標3
称呼：「ワンダ」
観念：特定の観念を生じない

3）本願商標と引用商標3の類否
両商標の外観は、全体構成において顕著な差異を有し、また本願商標の要部の「WONDA」と引用商標3の「WANDA」とは、共に短い5文字からなる、第2文字目に「O」と「A」の差異を有し、語頭において「WO」と「WA」の相違が目立って印象されることからすれば、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。

よって、両商標はワンダ」の称呼を同一にする場合があるとしても、その全体の外観が著しく相違し、観念においても類似しないものであるから、全体として互いに非類似の商標である。

◆コメント
「WONDA」と「WANDA」とは外観上区別できるか、意見の分かれるところであるところであり、筆者も検討してみたが、やはり5文字中2文字目の相違は看者としてはその差異は想像以上に大きいものがあると感じる。

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◆理由：
1)本願商標
称呼：「アサップ」
観念：特定の観念を生じない

2)引用商標
ⅰ）引用商標1
称呼：「アサップ」
観念：特定の観念を生じない

ⅱ）引用商標2
称呼：「アサップ」「エイエスエイピー」
観念：「できるだけ早く」

3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標1との類否
称呼において共通するとしても、これが外観における顕著な差異を凌駕するものではなく、総合的に勘案すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

イ 本願商標と引用商標2との類否
称呼において共通する場合があるとしても、外観において明確に区別し得るものであって、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

よって、本願商標と引用商標1乃至2とは非類似の商標であり、商標法4条1項11号は該当しない。

◆コメント
称呼同一だが、全体として非類似と判断された事例である。称呼が同一であっても、外観等において顕著な差異があれば全体で非類似と判断するケースも最近の傾向としては多く見られる。

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◆理由：
1)引用商標及び使用商標の周知性
申立人提出の証拠等から我が国に輸入され、販売されていることは認められるものの、申立人商品の我が国における販売実績、広告の実績を示す証左はないから、使用商標は、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

また、引用商標も申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
称呼：「ヘコ」
観念：特定の観念を生じない

イ 引用商標
称呼：「ヘンコ」
観念：特定の観念を生じない

ウ 本件商標と引用商標との類否
外観：
外観において、中間における「N」の文字の有無、及び語尾の「co(CO)」が小文字か大文字かの差異を有するものであり、これらの差異が4文字又は5文字という比較的短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。

称呼：
両者は中間における「ン」の音の有無に差異を有するものであり、2音又は3音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、その語調、語感が相違したものとなり、互いに紛れるおそれはない

観念：
相紛れるおそれはない。

よって、本件商標と引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標であり、商標法4条1項11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
使用商標の周知著名性は認められず、本件商標と使用商標は非類似の商標であることから出所の混同を生ずるおそれはなく、商標法4条1項15号に該当しない。

◆コメント
引用商標、使用商標の周知著名性が認められたとしても、本件商標と引用商標、使用商標は相紛れるおそれのない別異の商標であることから、出所の混同を生じるおそれはなく、商標法4条1項15号にも該当しないとの判断となったであろう。

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◆理由：
本願商標は、黒色で表された横長楕円の中に、黒色のゴシック体で「TV」の欧文字を表してなる。

そして、構成中の「T」、「V」及び楕円は、いずれも同色かつ同程度の太さの線をもって表され、かつ、これらが互いに一部を接してバランス良く配置されているものであり、本願商標は、全体としてまとまりよく一体的に表されている。

また、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、本願商標と同様の構成からなる標章が、取引上、商品の種別、規格又は品番等を表示するための記号、符号として、普通に用いられている事実は発見できなかった。

これより、本願商標は、構成全体をもってロゴタイプとして認識され、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標とはいえず、これをその指定商品に使用しても、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものというべき。

よって、本願商標は商標法3条1項5号に該当しない。

◆コメント
従来は、欧文字2文字の商標は3条1項5号違反で登録されないといわれてきたが、本願出願はロゴタイプではあるものの3条1項5号に該当せず登録となった。
仮に、本願出願がロゴではなく例えば標準文字出会った場合、どのような判断がなされたであろうか。
取引上、商品の種別、規格、品番等を表す記号、符号として用いられていなければ、登録審決となるだろうと、筆者は考える。
（参考：不服2014-18212