「Black French Dress」

登録第5858894号商標の商標登録を維持する。

◆理由：

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標について

本件商標は、その構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。

よって、

称呼：

「ブラックフレンチドレス」

観念：

「黒いフランスのドレス」

となる。

引用商標は、その構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。

よって、

称呼：

「リトルブラックドレス」

観念：

「小さい黒いドレス」

となる。

(3)本件商標と引用商標との類否について

外観：

判然と区別し得る。

称呼：

明確に聴別し得るものである。

観念：

相紛れるおそれはない。

これより、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼、観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない、互いに非類似の商標である。

(4)小括

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は、その構成中の「French」の文字部分のみが注目される理由はなく、また、これが品質を表示する態様で表されていないこともあり、その構成全体をもって一体不可分の商標を表したと認識、把握されるものであるから、これに接する取引者、需要者が殊更「French」の文字部分に着目し、該文字が商品の産地を表示してなるものと認識、把握するものではない。

してみると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。

◆コメント：

請求人は、本願商標「Black French Dress」の構成中の「French」および引用商標「LITTLE BLACK DRESS」の構成中の「LITTLE」は識別機能が弱く、両商標の観念は「黒いドレス」となる等の主張をしている。

しかし、本審決説示のとおり両商標ともに一体不可分のものとして認識されることから、請求人の主張は失当であろう。

妥当な審決であったと考える。

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