◆対象商標:
「クロスフィット」
第25類「靴下」
◆種別と審判番号:
異議の決定
異議2017-900012
◆審決日:
2017-08-07
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号
◆引用商標
1 国際登録第1086145号商標 「CROSSFIT」
2 国際登録第1022145号商標 「CROSSFIT」
登録第5889786号商標の商標登録を維持する。
◆理由:
1 引用商標の周知性について
申立人提出の証拠からは、引用商標の周知性は認められない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
称呼:「クロスフィット」
観念:特定の観念を生じない
なお、申立人は、本件商標「クロスフィット」は、「クロスにフィットした」との意味合いを想起すると主張しているが、「クロス」及び「フィット」の語がそれぞれ上記の意味を有するとしても、これらの語を結合した「クロスフィット」の文字からは、直ちに申立人が主張する意味合いを理解、認識させるものとまではいうことができない。
(2)引用商標1について
称呼:「クロスフィット」
観念:特定の観念を生じない
(3)本件商標と引用商標1との類否について
ア 外観
相違する。
イ 称呼
同一である。
ウ 観念
本件商標と引用商標1とは、共に特定の観念を生じるものではないが、「クロスフィット」の片仮名は、「CROSSFIT」の欧文字の読みを表したものといえるから、観念において異なることのないものである。
これより、本件商標と引用商標1とは、外観において相違するとしても、同一の称呼を生じ、観念において異なることはないものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本件商標と引用商標1の指定商品の類否について
申立人提出の資料、主張等によれば、本件商標の指定商品は、専ら(脚)に着用する商品であるのに対し、引用商標1の下着としての上記指定商品は、「肌に直接着ける衣服、上着の下に着用する衣服」である。
よって、それらの商品の具体的な用途、及び、それらの商品を買い求める需要者の目的は、明らかに異なるものである。
これより、本件商標の指定商品と、引用商標1のその他の指定商品とは、明らかに類似しない商品といえる。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、引用商標の周知性は認められない。
また、上記のとおり本件商標と引用商標1の指定商品は、非類似の商品であって、本件商標の指定商品と引用商標2の指定役務についても、商品の生産者、販売者、取扱い系統、用途と、役務の提供者、提供手段、目的、提供に関連する物品等との間に、密接な関連性を有するものとは認められない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
◆コメント:
指定商品が非類似と判断された事案である。
類似と判断された商品であっても商品の生産者、販売者、用途、需要者等を一つ一つ主張していけば非類似と判断される可能性があるので、諦めずに主張することが肝要である。