◆対象商標:
「半島プラザアスクル」
第35類
第41類
◆種別と審判番号:
異議の決定
異議2016-900388
◆確定日:
2017/04/07
◆関連条文:
商標法4条1項8号
商標法4条1項11号
商標法4条1項15号
◆引用商標:
1 登録第4659230号商標 「ASKUL」
2 登録第5183765号商標 「ASKUL」
3 登録第5327848号商標 「ASKUL」
4 登録第5860673号商標 「本商標は、男性の声で『アスクル』と聞こえる構成となっており、全体で約1秒間の長さである。」とする音商標
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
登録第5880567号商標の商標登録を維持する。
◆理由:
1 「ASKUL」及び「アスクル」の周知・著名性
申立人が提出した証拠等により「ASKUL」又は「アスクル」は、文具・事務用品を中心とするオフィス用品の通信販売業務において申立人又は申立人の業務を表示するものとして、その分野の取引者等の間においては広く認識されていたものと認められる。
しかし、申立人商標が、オフィス用品の通信販売業務以外の分野の需要者にまで広く知られていると認めるにる証拠を見いだすことはできない。
そうすると、申立人商標の周知・著名性は、オフィス用品の通信販売の分野にとどまるものというのが相当であり、その分野を超えて、広く知られているものとは認められない。
2 商標法4条1項11号の該当性
(1)本件商標
本件商標は、同書、同大、同間隔で表されており、「ハントープラザアスクル」の称呼も、よどみなく称呼し得る。
そして、「半島」「プラザ」「アスクル」の各文字について識別力についての軽重の差を見いだせず、構成全体をもって一体のものとして認識される。
よって、
称呼:「ハントープラザアスクル」
観念:特定の観念は生じない
となる。
(2)引用商標
引用商標1乃至4について
称呼:「アスクル」
観念:特定の観念を生じない
となる。
(3)本件商標と引用商標との類否
ⅰ) 本件商標と引用商標1乃至3との類否
外観、称呼、観念いずれも相紛れるおそれがない否類似の商標である。
ⅱ) 本件商標と引用商標4との類否
称呼、観念とも相まぎれるおそれがなく、非類似の商標といえる。
よって、本件商標は、商標法4条1項11号に該当しない。
3 商標法4条1項15号の該当性
本件商標と引用商標は別異の商標であることから、出所の混同を生じるおそれはなく、商標法4条1項15号に該当しない。
4 商標法4条1項8号の該当性
「アスクル」の文字は、オフィス用品の通信販売の分野においては、申立人の略称を表すものとして認識されているものと認められるが、該文字が申立人を指称するものとして一般に認識されるに至っていたものとは認めることができない。
よって、本件商標は、その構成中に他人の著名な略称を含むものということはできないから、商標法4条1項8号に該当しない。
◆コメント
「ASKUL」の周知著名性の認定が本審決のカギであった。
本審決では、申立人商標の周知・著名性は、オフィス用品の通信販売の分野にとどまるものというのが相当であり、その分野を超えて、広く知られているものとは認められない、との判断であったが、適切なアンケート結果等、証拠を充実させれば周知著名性は認定されたであろう。
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