◆結論：
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
 
◆理由：
本願商標全体として「夜間の博物館・美術館」ほどの意味合いを想起する場合があるとしても、これが、本願商標の補正後の指定役務との関係において、特定の役務の質、提供場所を、直接的かつ具体的に表したものとはいい難い。
また、「ナイトミュージアム」の文字が、役務の質等を表すものとして、取引上、一般に使用されている事実は見当たらなかった。

よって、商標法3条1項3号および4条1項16号に該当しない。

（参考：拒絶査定時の理由概要）
本願商標は、全体として「夜間の博物館・美術館」ほどの意味合いを容易に認識させる。
「ナイトミュージアム」の語が、「美術館や博物館の開館時間を夜間まで延長し営業すること」ほどの意味合いで実際に使用され、かつ、その夜間営業中に各種娯楽イベントが行われている実情がある。

よって、役務の質(内容)及び提供場所を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
 
 
◆コメント：
他の3条1項3号の審決と同様に、本願商標が役務の質等を表すものとして、取引上、一般に使用されている事実がなかった点が判断の大きな要因となっている。
 

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◆結論：
原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。

◆理由：
1）本願商標
称呼：「シー」
観念：「彼女は」

 

2）引用商標
線図形部分と欧文字部分とからなり、構成全体をもって一体の商標とみるのが相当でり、特定の称呼及び観念は生じない。

3）本願商標と引用商標との類比
外観：著しく相違
称呼、観念：比較することができない

なお、「シー」の称呼が共通する場合があるとしても、両商標は、全体の外観において顕著に相違し、観念において比較できず、両者は非類似の商標である。

よって、4条1項11号に該当しない。

◆コメント：
称呼が共通するケースはあるが、全体として非類似と判断されるケースはここ数年顕著になっている。

本審決は明らかに外観が異なり、引用商標の称呼が「シー」と看取できない場合もあるため、非類似とした審決は極めて妥当であると考える。
 

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◆結論：
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
 
◆理由：
「深層」が「深い層」、「指圧」が「指さきなどで押しまたは叩くこと」の意味を有したとしても、
「深層指圧」の文字からは、「深層筋用の指圧器」といった意味合いを直ちに認識させるとはいい難く、また、該文字が本願指定商品の品質を直接的かつ具体的に表示したものと認識させるとはいい難い。

さらに、「深層指圧」の文字が、商品の品質を表示するものとして、取引上普通に使用されていると事実は発見されなかった。

よって、商標法3条1項3号および商標法4条1項16号には該当しない。

（参考：拒絶査定時の理由概要）
「深層」の文字は「深層筋(インナーマッスル)」を、「指圧」の文字は「指圧器」をそれぞれ把握させ、全体として「深層筋用の指圧器」程の意味合いを看取させる。
そのため、「指圧器」に使用した場合、需要者等は「深層筋(インナーマッスル)用の指圧器」ほどの意味合いを認識するにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎない。
 
◆コメント：
本審決においても判断の決め手は、「取引上普通に使用されている事実は発見されなかった」という点である。

 

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◆結論：

原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。

 
◆理由：

1）本願商標
「ゼロ」と「ウォーターシステム」は「・」で区切られていることから、「ゼロ」と「ウォーターシステム」の文字からなると看取される。
「ゼロ」「ウォーターシステム」の文字は、指定商品との関係において出所識別標識としての機能が極めて弱く、その構成文字のいずれかが強く支配的な印象を有するとはいえない。
よって、不可分一体のものとして把握される。

これより、「ゼロウォーターシステム」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念は生じない。

 

2）引用商標
「ゼロウォーター」の称呼が生じ、特定の観念を生じない。

 

3）本願商標と引用商標との類否について
上記のとおり外観、称呼は明確に区別でき、
観念は比較することができないから、
外観、称呼、観念において相紛れるおそれはない。

よって、両商標は非類似の商標である。

 
◆コメント：

「・」が仮に「ゼロウォーター・システム」であったら結論はどうであったか。

筆者の考えは以下である。

「ゼロウォーター」は造語であり、識別力を持ち、要部となる。

本願商標と引用商標は要部の外観、称呼が同一であり、両商標は類似である。

 

なお、仮に「・」がなかったとしたら、本件審決と結論は変わらなかったであろうと考える。
 

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