◆対象商標:
「Diabow」
◆指定商品役務:
第7類
第8類
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2014-14508
◆審決日:
2016/03/28
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標
登録第2359852号商標 「ダイワボウ\DAIWABO」
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
本願商標「Diabow」は、辞書等に載録されていないものであるから、一種の造語として認識されるものである。
そして、「Diabow」の欧文字は、我が国で広く親しまれている英語読み又はローマ字読みに倣って、「ダイアボー」又は「ディアボー」の称呼が生ずるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、上段に表された「ダイワボウ」の片仮名が、下段に表された欧文字「DAIWABO」の読みを特定したものと無理なく認識し得ることから、その構成文字に相応して「ダイワボー」の称呼を生ずるものである。
また、「ダイワボウ」及び「DAIWABO」の各文字が我が国において親しまれた成語ということもできないものであるから、引用商標は、特定の意味合いを認識させるものではない。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標は、標準文字からなるのに対し、引用商標は、太字明朝体の片仮名とゴシック体の欧文字の二段書きの態様であることから、両者は、外観上、明らかに相違し、紛れるおそれはない。
次に、本願商標より生ずる「ダイアボー」の称呼と引用商標より生ずる「ダイワボー」の称呼を比較するに、両称呼は、中間に位置する「ア」の音と「ワ」の音に差異を有するものであるところ、「ア」の音は、口を広く開いて発せられるのに対し、「ワ」の音は、両唇を近寄せて発せられることから、その調音の位置や方法を異にするものであって、該差異が、共に長音を含めた5音という短い音構成からなる両称呼全体に及ばす影響は、決して小さいものといえず、それぞれを一連に称呼しても十分に聴別し得るものである。
また、本願商標より生ずる「ディアボー」の称呼と引用商標より生ずる「ダイワボー」の称呼を比較するに、両称呼は、称呼の識別上重要な要素を占める語頭において「ディア」の音と「ダイワ」の音という明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感が異なり、聞き誤るおそれはないものである。
さらに、本願商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じないから、観念において、比較することはできないものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、両商標は非類似の商標というのが相当である。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
◆コメント:
結論としては妥当な審決であったと考える。
しかし、本願商標の称呼「ダイアボー」と引用商標の称呼「ダイワボー」とは、中間音の子音相違であり、類似すると判断してもよかったのではないだろうか。