◆対象商標:
「箱館ポーク」
◆指定商品役務:
第29類「豚肉,豚肉製品」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-17148
◆審決日:
2016/01/19
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
本願商標の構成中の「箱館」の文字は、「(古くは「箱館」と書いた)北海道渡島半島の南東部に位置する市。」と記載されていることから、「函館」の古い書き方であることが認められる。
「コンサイス日本地名事典<第5版>」の「はこだて 函館」の項には、「北海道南西部、函館市の中心。・・・1454(享徳3)河野政通が函館山麓に箱状の館を築いたことにちなみ箱館と称したが、1869(明2)函館と改称。」と記載されていることからすれば、「箱館」は、1869年(明治2年)に「函館」に改称されて既に約145年が経過しているものである。
また、「箱館」の文字が、函館市内の祭りの名称や市電の車両名、観光施設の名称等に使用されているとしても、これらにおいて、この文字が、「函館産」であることを表示するものと理解されるとはいい難い。
さらに、本願商標の指定商品を取扱う業界において、「箱館」の文字が、商品の産地や販売地を表示するものとして一般に使用されている事実や認識されていると認めるに足る事実は発見できない。
してみると、「箱館」の文字と「豚肉」の意味を有する「ポーク」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の産地、販売地、品質を表示するものとはいえず、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
◆コメント:
旧地名が、商標法第3条第1項第3号に該当するかどうか争われた事案である。
確かに、「箱館」が「函館」の旧表記だとは、さほど知られていないであろう。
妥当な審決であったと考える。
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