◆対象商標:
「おうちつけ麺」
◆指定商品役務:
第30類「つけ麺用の即席中華麺,調理済みの即席つけ麺,つけ麺用の中華麺,調理済みのつけ麺,つけ麺用のつゆ・たれ,つけ麺用の食用粉類」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-6858
◆審決日:
2015/09/07
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
本願商標の構成中「おうち」の文字は、「『家』『家庭』の丁寧語。」の意味を有し、「つけ麺」の文字は、「つけ汁につけて食べる麺。」の意味を有する語である。
そして、昨今、食品メーカー等が、消費者の中食、内食志向の高まりに応じるため、家で手軽に作って食べられることを訴求する商品を展開しているという背景がある。
書籍、新聞記事及びインターネット情報によれば、料理の材料や調理法などに関する書籍や記事において、家で作って食べる料理を、例えば「おうちカレー」、「おうち焼肉」、「おうちラーメン」、「おうちピザ」、「おうちつけ麺」のように、「おうち○○(○○は料理名)」の語で表現することが普通に行われている。
食品メーカー等においても、「おうち鍋」、「おうちハンバーグ」、「おうち麺」、「おうちギョーザ」、「おうちチャーハン」、「おうちパン」、「おうちたこ焼き」、「おうち麻婆豆腐」等の語を、家で作って食べる各種の料理を表すものとして使用していることがうかがえる。
そうすると、「おうち」の文字に料理名「○○」を続けた構成からなる語に接する取引者、需要者は、この文字から、「家で作って食べる○○」の意味合いを容易に理解、認識するといえる。
してみれば、「おうち」の文字に料理名の「つけ麺」の文字を続けた構成からなる本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標から、「家で作って食べるつけ麺(つけ汁につけて食べる麺)」ほどの意味合いを看取するというのが相当であり、本願商標をその指定商品に使用しても、その商品が「家で作って食べるつけ麺」又は「家で作って食べるつけ麺用の商品」であると認識し、商品の品質、用途を表示したものと理解するにとどまるといえるものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといえる。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
◆コメント:
「おうちつけ麺」という使用例が、証拠にあげられただけでも2件存在した。
証拠の数としては少ないものの、請求人としてもこれ以上の反論は難しいであろう。
妥当な審決といえるのではないだろうか。
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