◆対象商標:
「UMAMI」
◆指定商品役務
第35類「ビール・洋酒・果実酒・酎ハイの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
◆種別と異議申立番号:
異議の決定
異議2015-900261
◆異議決定日:
2016/10/21
◆関連条文:
商標法第3条第1項第6号
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
登録第5761616号の2商標の商標登録を取り消す。
◆理由:
本件商標「UMAMI」は「うまい味。また、その程度。」等の意味を有する語の「うま味」の文字を欧文字で表したものであり、近年においては、前記1のとおり、この「UMAMI」の文字は、多数の書籍等にも掲載される語となっており、甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第5の味覚を表すものとして、国際的にも認知された語である。
そして、和食や食品の基本味としての「うま味」に通じる「UMAMI」の文字は、一般的に多数の人々によって使用される語として、日本国内はもとより、海外にも広く認識されているものというのが相当である。
そうすれば、本件商標をその指定役務「ビール・洋酒・果実酒・酎ハイの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用しても、その役務における提供の用に供する飲料を含む食品に関しての品質を表示する食品の基本味の1つとして国際語としても認められた「UMAMI」として認識するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
◆コメント:
商標権者は、「UMAMI」は地名としてのあるいは人名としての「馬見」も現に存在しており、複数の意味合いを連想させる「UMAMI」に接した需要者、取引者が「UMAMI」から一義的に直ちに味覚としての「旨味」を連想しない、との反論をしている。
本異議決定では、和食や食品の基本味としての「うま味」に通じる「UMAMI」の文字は、一般的に多数の人々によって使用される語として、日本国内はもとより、海外にも広く認識されているとして、商標権者の主張を執刀と判断している。
過去の審決などでは、複数の意味を有する語については、直接的かつ一義的に商品の内容を表すとはいえないとしているものが多く、やや納得感のいかない判断であると考える。
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