◆対象商標:
「頭ほぐし整体院」
◆指定商品役務
第44類「理容,美容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,美容に関するコンサルティング・指導・助言・情報提供,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2017-11657
◆審決日:
2018/01/15
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標の「頭」の文字は、「首から上の部分」の意味を、「ほぐし」は、「こり固まったものをやわらげる。」の意味を、「整体」の文字は、「手技によって骨格のゆがみや異常を整え、健康増進をはかる民間療法。」の意味を、「院」の文字は、「公共的な建物。宮殿・官舎の号。学校の名の下に添える語。特定の人々を収容する建物・施設。」等を意味する語として、それぞれ一般によく知られているものである。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体として、「頭のこり固まったものをやわらげる整体の施設」程の意味合いを容易に理解させるものである。
ところで、本願の指定役務における「あん摩・マッサージ及び指圧」等の分野において、「頭ほぐし」及び「整体院」の文字が、多数使用されている実情がある。
これら使用例から、「頭ほぐし」は、「頭をもみほぐす」程の意味合いを理解させるものである。
また、「整体院」は、「整体の施術を行う施設(場所)」程の意味合いを理解させるものである。
そうすると、「頭ほぐし整体院」からは「頭をもみほぐす整体の施術を行う施設(場所)」程の意味合いを理解させるものである。
してみれば、本願商標を、その指定役務中、「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「頭をもみほぐす整体の施術を行う施設(場所)」であること、すなわち役務の提供の場所を表したものとして理解するにすぎず、自他役務の識別標識としては認識し得ないものであるから、本願商標は、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
よって、本願商標は、その指定役務中「あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり」については、商標法第3条第1項第3号に該当する。
◆コメント:
請求人は、「『頭ほぐし整体院』の文字がその指定商品の品質・役務の質(内容)を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も見出せなかった。」と主張している。
しかし、本審決では、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(平成12年(行ケ)第76号、平成12年9月4日 東京高等裁判所判決)と負圧燃焼焼却炉事件を引用し、請求人の主張を退けている。
妥当な審決であったと考える。
審決公報はここをクリック。
関連