◆対象商標:
「ベガスグループ」 (図形商標、詳細は公報参照)
第35類「たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第41類「娯楽施設の提供」
第43類「飲食物の提供」
◆種別と審判番号:
異議の決定
異議2017-900194
◆審決日:
2017/10/06
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号
商標法第4条第1項第8号
◆引用商標:
登録第5334030号商標 「ベガス」
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
登録第5933030号商標の商標登録を維持する。
◆理由:
1 引用商標の周知性について
申立人提出の証拠等から、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものであることを認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標の文字部分は、同書、同大、同間隔で視覚上まとまりよく一連一体に書された構成からなるものであり、これより生じる「ベガスグループ」の称呼もよどみなく一連に称呼できる。
そして、この文字構成においては、構成文字の一部が他の文字と比べ強く支配的な印象を与えるということもできず、本件商標を「ベガス」の文字部分と「グループ」の文字部分とに分離して看取すべき特段の理由も見出せない。
よって、本件商標の「ベガスグループ」の文字部分は、一体不可分のものとみるべきであり、該語は、辞書類に載録されていない語であるから、一種の造語として認識されるのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ベガスグループ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない。
(2)引用商標について
称呼:「ベガス」
観念:特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
外観:
判然と区別し得る。
称呼:
両商標の称呼は、「グループ」の音の有無という顕著な差異により、明瞭に聴別することができる。
観念:
観念上、両者を比較することができない。
これより、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標の周知著名性は上記のとおり認められない。
また、本件商標と引用商標とは非類似の商標である。
これより、役務の出所について混同を生じさせるおそれはなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第8号該当性について
引用商標は、上記のとおり、申立人又は申立人の業務を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
よって、本件商標は、その構成中に他人の著名な略称を含むものということはできないから、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
◆コメント
申立人は、「グループ」の文字部分は識別力を書く旨、主張していたが、本審決では、本件商標「ベガスグループ」の文字部分は、一連一体であるとしてその主張を退けている。
しかし、同じ商品役務において、「◯△」と「◯△グループ」とが存在すると、例え「◯△」の周知性がなかったとしても需要者の混同を招くのではないかと筆者は考える。
疑問の残る審決である。
審決公報はここをクリック。
関連