査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 

◆理由：

外観：明らかに異なり相紛れるおそれはない。

称呼：語頭の「フォー」の音の有無による音数の相違から明らかな差異を有し、十分に聴別し得るため相紛れるおそれはない。

観念：それぞれから生じる意味内容が異なることは容易に理解できるため相紛れるおそれはない。

よって、本件商標と引用商標は非類似の商標である。

◆コメント：

最近の審決傾向に沿った妥当な判断である。 
 
審決公報は以下。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/TA/JPJZH29004502/DBF2FB8A08E289FE45876160A86B96A4

商標登録を維持する。

 
◆理由：

1.引用商標の周知性

「PENGUIN BOOKS」は「ビッグ6」と呼ばれる欧米大手出版社の一角を占めるまでになることなどうかがい知る。

しかし、書籍についての広告がされたといえる証拠に乏しい。

さらに、我が国の輸入業者や書店と取引しているとしても、わずかに3社のみである。

よって、著名性を獲得しているとはいいがたい。

2.本件商標と引用商標の類似性

外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべき。 

3.出所の混同

引用商標は著名商標とはいえず、かつ本件商標と引用商標は非類似であるので、混同を生じるおそれはない。

よって、商標法4条1項15号には該当しない。

 
◆コメント：

商標法4条1項19号で主張するという手段も検討したであろうが、不正の目的を立証するのは困難だったのであろうと推測する。

なお、 「ファーストペンギン」の語はビジネス用語としてもよく 用いられているのはご承知のとおりである。
 
審決公報は以下。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/TA/JPJZH28900268/D437B9D673935B8D72A265FE32F6755E