◆対象商標:
「KISEKAE」
◆指定商品役務:
第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,身飾品,時計」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2014-17599
◆審決日:
2015/12/22
◆関連条文:
、商標法第3条第1項第3号
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
本願商標は、「KISEKAE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これからは、ローマ字読みにより「キセカエ」の称呼のみが生じる。そして、「キセカエ」と称呼される語として誰もが思い浮かべるのは「着せ替え」のみであるところ、その意味は、「着せ替えること。他の人や人形などが着ている衣服を他の衣服と取り替えること。」である。
そして、当審において、本願商標の指定商品の取引の実情について調査したところ、「KISEKAE」(小文字を含む)の文字が、身飾品も含めた商品を取り扱う業界において、「商品の一部を取り替える」程の意味合いで使用されている事実を発見した。
また、本願商標の指定商品中「時計」及び「キーホルダー」について「着せ替え」の文字が、「商品の一部を取り替える」程の意味合いで使用されている事実も発見した。
また、「身飾品」を取り扱う業界と「時計」及び「キーホルダー」を取り扱う業界は、いずれも商品の製造元、販売場所を共通にすることが多いことから、その取引者、需要者を共通にすることも多いといえる。
以上を踏まえると、本願商標を構成する「KISEKAE」の語は、その指定商品中の「身飾品」のみならず、「時計、キーホルダー」との関係においても、無理なく「着せ替え」の語を想起させ、その結果、「商品の一部を取り替える」程の意味合いを有する語として、当該指定商品の取引者、需要者に一般に認識されるものであるというのが相当である。
また、本願商標は、標準文字で表してなるものであり、特に看者の注意をひく特徴的な部分も認められない。
そうすると、本願商標は、その指定商品中の「身飾品、時計、キーホルダー」について使用するときは、当該商品の一部を取り替えることができる商品であることを表示する標章、すなわち、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、その指定商品中の「身飾品、時計、キーホルダー」について使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当する。
◆コメント:
本審決では、指定商品「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」については、商標法第3条第1項第3号に該当するとの判断はなされなかった。
この判断は、極めて妥当なものであったと考える。