◆対象商標:
「小鯛のささ漬」
第29類「レンコダイのささ漬」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2014-26815
◆審決日:
2015/09/07
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、団体商標として商標登録出願されたものであるが、団体商標であっても、登録商標として求められる自他商品の識別機能の必要性は、通常の商標登録出願と変わるところはなく、単に商品の産地、品質等を表示すると認識されるものからなる商標については、自他商品識別標識としての機能を有しないものとして、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
本願商標の構成中の「小鯛」の文字は「小さな鯛。または、鯛の幼魚。」を意味する語であり、また、「ささ漬」の文字は、「【笹漬】三枚におろした魚を酢・塩でしめ、笹の葉と一緒に漬けたもの。」を意味する語であることからすれば、本願商標は、全体として「小さな鯛を三枚におろし、酢・塩でしめ、笹の葉と一緒に漬けたもの。」の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、実際に、請求人の提出に係る資料及びインターネット情報によれば、「小鯛ささ漬」「小鯛のささ漬け」等の文字が、「キダイ(レンコダイ)を三枚におろし酢締め小樽に笹の葉とともに詰めたもの」を表すものとして使用されている事実が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、「小さな鯛(キダイ(レンコダイ))を三枚におろし、酢・塩でしめ、笹の葉と一緒に漬けたもの。」の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質、原材料、生産方法を表示するにすぎないから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
よって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。
◆コメント:
本審決では、冒頭に団体商標であっても、通常の商標登録出願と識別機能の必要性は変わらない旨の説明があり、本論に入っている。
被請求人に対して念押しの意味もあるのであろう。
判断自体は、妥当なものであったと考える。