◆対象商標:
「GUEST HOUSE 心家」
◆指定商品役務:
第36類「建物の管理」等
第43類「飲食物の提供」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2017-13167
◆審決日:
2018/01/29
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標:
登録第4634316号商標 「こころ屋」
登録第4634316号商標(以下「引用商標」という。)は、「こころ屋」
◆理由:
(1)本願商標について
本願商標「GUEST HOUSE 心家」は、同書、同大で、外観上まとまりよく一体に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「ゲストハウスココロヤ」の称呼も、格別冗長ではなく、無理なく一連に称呼し得る。
そして、「GUEST HOUSE」の文字部分は、「宿泊施設」程の漠然とした意味合いを理解させるものであり、全体として「『心家』という名称の宿泊施設(ゲストハウス)」程の意味合いを想起させる。
また、引用商標と抵触する役務である「飲食物の提供」との関係においては、「GUEST HOUSE」が、例えば、「西洋料理店」を意味する語である「Restaurant(レストラン)」などのように、飲食物を提供する場所や施設を表す語として一般に親しまれている事情は見いだせない。
そうすると、「GUEST HOUSE」が、「飲食物の提供」の役務の具体的な提供の場所等を表し、識別力が弱い文字であるとはいい難い。
さらに、本願商標は、同書、同大でまとまりよく表された構成からなることから、殊更、その構成中の「GUEST HOUSE」の文字部分を捨象して、「心家」の文字部分のみが自他役務の識別標識としての機能を果たすとみるべき格別の事情はないというべきである。
よって、本願商標は、その構成文字に相応して「ゲストハウスココロヤ」の称呼を生じ、「『心家』という名称の宿泊施設(ゲストハウス)」の観念を生じる。
(2)引用商標について
称呼:
「ココロヤ」
観念:
特定の観念を生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
外観:
明確に区別できる。
称呼:
明確に聴別される。
観念
本願商標からは、「『心家』という名称の宿泊施設(ゲストハウス)」の観念が生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
よって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(4)まとめ
これより、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
◆コメント
本審決のポイントは、 本願商標「GUEST HOUSE 心家」が指定役務「飲食物の提供」において、その要部が「心家」となるかどうかであった。
本審決では、「GUEST HOUSE」が「飲食物の提供」との関係においては、飲食物を提供する場所や施設を表す語として一般に親しまれている事情は見いだせない、等の理由から、本願商標は一連一体の商標であるとした。
確かに、「GUEST HOUSE」が飲食物を提供する施設であるとは、認識されていないであろう。
妥当な審決であったと考える。