「TREND ＆ MOCO＼とれもこ」 第25類「被服」等

◆結論：
登録第5919952号商標の商標登録を維持する。
 　
◆理由：
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「TREND」、「＆」及び「MOCO」の欧文字及び記号を、同書、同大で太く顕著に3段に表し、その下に小さく「とれもこ」の平仮名を表した構成からなる。
　
また、当該欧文字及び記号部分と平仮名部分は、文字の種類及び書体の大きさが異なるから、常に一体不可分のものであるとして理解されるとはいい難く、それぞれの部分が要部として看取されるものである。
　
そうすると、本件商標は、上記「TREND」、「＆」及び「MOCO」の欧文字及び記号部分から「トレンドアンドモコ」の称呼、並びに、「とれもこ」の平仮名部分から「トレモコ」の称呼を生じる。
　
観念については、特定の観念を生じない。
　
(2)引用商標について
称呼：
「エムオオアンドカンパニー」及び「モーアンドカンパニー」

 

観念：
特定の観念を生じない。
　
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
顕著な差異を有し、外観において互いに紛れるおそれはない。
　
イ 称呼について
相紛れるおそれはない。
　
ウ 観念について
相紛れるおそれはない。
　
本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
　

2 引用商標の周知性について
申立人提出の証拠等より、引用商標が、申立人の業務に係る商品「被服」等を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。
　
3 商標法第4条第1項第19号該当性について
上記のとおり、引用商標の著名性は認められず、また、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。
　
また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が不正の目的で本件商標を使用するものと認めるに足る具体的事実は見あたらない。
　
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
　
4 商標法第4条第1項第7号該当性について
上記のとおり、引用商標の著名性は認められず、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標をその指定商品について登録出願し、使用をすることが、引用商標の顧客吸引力や信頼等にただ乗りする目的等、不正の目的があったものとはいえない。
　
そして、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、申立人に損害を与える目的で、不正の目的をもって本件商標を使用するものとすべき具体的事実を見いだすことができない。
　
また、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字とはいえないし、その指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものでもない。
　
これより、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
　　
　　
◆コメント
申立人は、引用商標について「『MO』と『Co.』の間に『＆』があるものの、一体不可分の『モコ』の称呼を生じる」旨主張するが、『＆』を除いて着目する理由もなく、この主張は当然認められなかった。
　
　　
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