◆対象商標:
「IRY」(図案化、詳細は公報参照のこと)
◆指定商品役務:
第12類「電動式パーソナルモビリティ型スクーター及び自動車,三輪自動車並びにその部品及び付属品,自動車並びにその部品及び付属品,スクーター並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びに部品及び付属品」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-21314
◆審決日:
2016/03/29
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標
登録第5471441号商標 「IRIE\アイリー」
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
(1)本願商標
本願商標は、黒色四角形の中にやや図案化された態様で「ILY」の欧文字を白色で書してなるところ、該文字は、特定の意味を有する語として一般に知られているとはいい難いものであって、特定の意味を想起させることのない造語として認識されるものであるから、その構成文字に相応して「アイエルワイ」、「イリー」又は「アイリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、「IRIE」の欧文字及び「アイリー」の片仮名を二段に書してなるところ、それぞれの文字は、特定の意味を有する語として一般に知られているとはいい難いものであって、特定の意味を想起させることのない造語として認識されるものである。
また、その構成中、下段の「アイリー」の文字部分は、上段の「IRIE」の文字の読みを特定したものと無理なく認識できるものであるから、その構成文字に相応する「アイリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの称呼を生ずるものであるから、両商標は、「アイリー」の称呼を共通にする場合があるものである。
しかしながら、外観においては、本願商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであって、文字つづりや色彩などにおいて明らかな差異があるから、外観上、明確に区別できるものである。
さらに、本願商標と引用商標は、共に特定の観念を有しないものであるから、観念において比較することができないものであり、また、観念上、相紛れるおそれがあるような特段の事情は見いだせない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「アイリー」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観において明確に区別でき、観念においても相紛れるおそれはないものであって、ほかに、本願商標と引用商標との間で商品の出所の混同を生じるおそれがあるとみるべき特段の事情も見いだし得ないことから、これらを総合勘案すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
◆コメント:
称呼は共通であるが全体として非類似と判断された事案である。
外観の非類似が称呼の共通を凌駕したと判断したのであろう。
妥当な審決であったと考える。
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