◆対象商標:
「ヘアクリニックパーマ」
◆指定商品役務:
第3類「頭髪用洗浄剤,頭髪用化粧品」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-2592
◆審決日:
2015/10/19
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
本願商標は、指定商品との関係において、その構成中の「ヘア」の文字部分が「頭髪」の意味を、また、「パーマ」の文字部分がパーマネント・ウェーブの略で「整髪法および髪型の1。電気や薬品を用いて毛を長持ちのする波形に縮らせること。また、それを施した髪型。」の意味を表すものであって、「ヘア」の文字と「パーマ」の文字を結合した「ヘアパーマ」の語も、「パーマ」と同一の意味を表すものとして一般に使用されている実情が認められる。
そして、本願商標の構成中にある「クリニックパーマ」の文字については、パーマの一種類として、個々人の頭髪に適したパーマ剤(液)を選択することやパーマの施術に際し髪に水分や栄養分を補給しつつ行うなど、頭髪に負担の少ないパーマ程の意味合いを表すものとして使用されている事実が認められるところである。
さらに、この文字は、本願商標の指定商品においても、頭髪に負担の少ないパーマに用いられる商品であることを表すものとして使用されている事実が認められる。
そうすると、「ヘアクリニックパーマ」の文字からなる本願商標は、全体として「頭髪に負担の少ないパーマ」程の意味合いを容易に認識させるものであるといえるから、その指定商品である「頭髪用洗浄剤,頭髪用化粧品」に使用するときは、その取引者、需要者には、「頭髪に負担の少ないパーマに用いられる商品」であることを表したものとして、商品の品質、用途を表したものと理解されるにとどまるものといえる。
さらに、本願商標は、標準文字で表したものであるから、その構成文字の態様に特徴があるということもできない。
したがって、本願商標は、その指定商品中、頭髪のパーマに用いられる商品に使用するときは、その商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、頭髪のパーマ用以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
◆コメント:
実際の使用例はないが、商標法第3条第1項第3号に該当すると判断された事案である。
「ヘアパーマ」と「クリニックパーマ」の使用例から、「ヘアクリニックパーマ」が識別性がないとする判断は強引であったように考える。