「NIVEOLA Rivita Eye Cream＼NIVEOLA リバイタ アイ クリーム＼ニベオラ リバイタ アイ クリーム」

登録第5956253号商標の商標登録を維持する。

◆理由：

(1)引用商標の周知性について

申立人提出の証拠からは、スキンケアクリームについて、引用商標がいつから、どのような態様で、どの程度の頻度をもって使用されているか、すなわち、引用商標の使用に係るスキンケアクリームの販売に係る具体的な地域、時期、数量等は不明であるし、スキンケアクリームの広告活動についても、その具体的な内容はもとより、地域、時期、回数等は不明である。

そうすると、引用商標が、我が国の需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、どの程度広く知られているか推し量ることはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標の構成中、金色に彩色された円状図形及び「NIVEOLA」の文字部分についてみると、この図形と文字との間に、これらが常に一体不可分のものとしてのみ看取、把握されるとみるべき特段の事情があるとはいえないから、両者は、視覚上、分離して観察されるといえ、その際には、記憶しやすい文字部分に注意が向けられることも少なくないとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成中、金色に彩色された「NIVEOLA」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものであり、当該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るといえるから、この文字部分を他人の商標と比較して、商標の類否を判断することが許されるというべきである。

これより、本件商標は、「ニベオラリバイタアイクリーム」の称呼を生じるほか、その構成中の「NIVEOLA」の文字部分に相応して、「ニベオラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

イ 引用商標

称呼：

「ニベア」

観念：

特定の観念を生じない

ウ 本件商標と引用商標との比較

(ア)外観

相紛れるおそれはない。

(イ)称呼

本件商標から生じる「ニベオラ」の称呼と引用商標から生じる「ニベア」の称呼とを比較すると、両称呼は、第3音以降において、「オラ」と「ア」という明らかな音の差異があり、その差異音が4音と3音という短い音構成からなる両称呼に与える影響は少なくないといえるから、それぞれを一連に称呼しても、語感が相違し、称呼上、相紛れるおそれはない。

(ウ)観念

比較することはできない。

(エ)本件商標と引用商標との類否

これより、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

エ 小括

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標は、上記のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとは認めることはできない。

また、本件商標は、上記のとおり、引用商標とは非類似の商標である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

◆コメント：

「ニベア」が商品「スキンクリーム」において、周知著名性を有しないと判断されたことは予想外であったが、申立人が提出した証拠を見ると、その判断もやむを得ないものと思われる。

申立人提出の証拠次第では、最終的な判断も変わっていた可能性が十分にあったのではないか。

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