◆対象商標:
「Elvis」(やや図案化、詳細は公報参照)
◆指定商品役務:
第15類「楽器,楽器用ケース」
◆種別と異議申立番号:
異議の決定
異議2017-900209
◆異議決定日:
2017/12/14
◆関連条文:
商標法第4条第1項第7号
◆引用商標:
申立人の主張では、故「Elvis Presley」の著名な略称として認知されている「Elvis」(エルヴィス)を引用。
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
登録第5934164号商標の商標登録を維持する。
◆理由:
(1)「Elvis」の周知性について
申立人提出の証拠等から、「Elvis Presley」は、米国のロック歌手であって既に故人であることが、我が国において広く認識されていることは顕著といえる。
しかし、我が国においては「Elvis Presley」を略称する語としては、「Presley」又は「プレスリー」の語が用いられることが一般的で、「Elvis」「エルヴィス」の語が用いられる機会は限定的であるため、「Elvis」(エルヴィス)の語は、我が国において「Elvis Presley」の略称として広く知られているものとはいい難い。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
「Elvis」の文字からなる本件商標は、これに接する取引者、需要者をして「エルヴィ(ビ)ス」の称呼を生じ、特定の観念を生じない欧文字を表してなるものと認識、看取されるとしても、「Elvis Presley」を直ちに連想又は想起させるものではないから、本件商標を採択することが、「Elvis Presley」の知名度に便乗しようとする意図を当然推認させるものではないし、国際信義に反するものともいえない。
さらに、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなもの、あるいはその登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。
これより、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
◆コメント
異議申立人は、「Elvis」が故「Elvis Presley」の著名な略称として認知されている旨の主張をし、商標法第4条第1項第7号を主張した。
商標法第4条第1項第8号を主張しなかったのは、故人は商標法第4条第1項第8号の「他人」に含まれないからである。
妥当な審決であったと考える。
参考:https://www.jpo.go.jp/iken/pdf/iken_rekisi_soukisinsa/1-1.pdf
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