◆対象商標:
「テクノウォーターストップ」
◆指定商品役務:
第19類「アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料」等
第37類「建設工事」等
◆種別と異議申立番号:
異議の決定
異議2017-900225
◆異議決定日:
2017/12/22
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標:
1) 引用商標1
登録第4214929号商標 「TECHNOFORM」
2)引用商標2
登録第4214930号商標 略正方形の枠内に、「TECH」、「NO」、「FORM」の文字を上下三段に配した構成からなる。
(詳細は公報参照)
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
登録第5939021号商標の商標登録を維持する。
◆理由:
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
称呼:
「テクノウォーターストップ」
観念:
特定の観念を生じない。
(2)引用商標
ア 引用商標1
称呼:
「テクノフォーム」
観念:
特定の観念を生じない。
イ 引用商標2
称呼:
「テクノフォーム」
観念:
特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
外観:
外観において明確に区別できる。
称呼:
両称呼は、その音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから、両商標は、称呼上聞き誤るおそれはない。
観念:
観念において相紛れるおそれはない。
よって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
(1)申立人は、本件商標構成中の「ウォーターストップ」の文字は、「止水、止水板」を意味する英語の「water stop」を片仮名表記であって、本件商標の指定商品中の「止水用構築材料」との関係では識別力がないから、需要者の注意をひく部分は「テクノ」の文字である旨主張する。
しかし、「water stop」の文字に「止水板」の意味があるとしても、本件商標の指定商品を取り扱う我が国の業界において、「ウォーターストップ」の文字が、「止水用構築材料」を表すものとして一般的に使用されている実情は見いだせない。
そして、本件商標の構成にあっては、「テクノ」の文字部分のみが分離、抽出され、取引に資されるといえない。
(2)申立人は、引用商標は、「TECHNO」と「FORM」は、それぞれ「(科学)技術」及び「形、形状」を意味する英語であるから、需要者が「TECHNO」と「FORM」とを切り離して認識することがあること、並びに、第37類の役務について「テクノ」及び「TECHNO」に識別力があると認めた審決があるから、第19類の商品についても同様に識別力があることからすれば、需要者が「TECHNO」部分を切り離して認識することは十分に考えられる旨主張する。
しかし、「TECHNO」及び「FORM」の文字は共に広く一般に親しまれている英単語であるところ、引用商標の指定商品との関係において、いずれかの文字が強く印象に残るとか、商品の出所識別標識としての機能に著しい差異がある等の事情も見いだせないから、引用商標から「TECHNO」の文字部分を要部として抽出することはできない。加えて、引用商標2の構成にあっては、「TECH」と「NO」の文字が上下の段に分かれて配されているのであり、単に「TECHNO」が既知の英単語であるからといって、これら文字を「TECHNO」の一連の文字として認識するというのは不自然である。
また、商標の類否判断は、当該商標の査定時において、本件の事案に即して両商標を対比することにより、個別具体的な証拠をもって判断するべきであるところ、単に「テクノ」及び「TECHNO」の文字が第37類の役務について識別力を認められた審決例があるという理由のみで、引用商標から「TECHNO」の文字部分のみを分離抽出し、他の商標と比較することが許されると認めることはできない。
(3)したがって、申立人の上記主張は、いずれも採用できない。
◆コメント
両商標は、そもそも外観において大きく相違しており、申立人の主張には無理があったと考える。
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