◆対象商標:
「ハーフ&ハーフ\HALF&HALF」
◆指定商品役務:
第30類「調理済みのパスタ」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2014-9646
◆審決日:
2016/03/29
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
本願商標は、「ハーフ&ハーフ」及び「HALF&HALF」の文字を二段に書してなるところ、上段の「ハーフ&ハーフ」及び下段の「HALF&HALF」の文字は、「半々の混合物」の意味を有する英語「half-and-half」を片仮名と記号及び英語と記号を用いて表したものと認識し得るから、上段文字及び下段文字は、いずれも上記英語の意味に相応して、「半々の混合物」の意味を理解させるものである。
ところで、食品を取り扱う分野において、「ハーフ&ハーフ」及び「HALF&HALF」の文字は、例えば、「チャーハンと白米のハーフ&ハーフ」、「人気の2種類でハーフ&ハーフ」及び「HALF&HALF/2つのメニューを一度で楽しめる」のように、2つの味又は料理を半分ずつセットにした料理又はその商品を表すものとして一般に使用されていることから、この文字は、いずれも、その取引者、需要者に、上記料理又はその商品を意味するものとして認識されているものということができる。
そして、パスタ料理についてみても、「ハーフ&ハーフ」の文字は、飲食店において、2つの味又は2種類のパスタを半分ずつセットにして提供する料理を表すものとして使用されている。
そうすると、「ハーフ&ハーフ」及び「HALF&HALF」の文字からなる本願商標に接する取引者、需要者は、該文字から「2つの味又は2種類のパスタをセットにした商品」であることを容易に理解するというのが相当である。
したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質(内容)を表示したものとして認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
なお、請求人は、「本願商標は、その材料、食品等を特定して初めて具体的な商品の原材料、種類、品質等との関係が理解されるものであるから、本願商標の自他商品識別力を否定する判断は行き過ぎである」旨主張するとともに、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人ともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきであり、本願商標は、前記認定のとおり、具体的に原材料、種類が特定されていないとしても、商品の品質を記述したものとして理解されるものである。
そして、同号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、指定商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであって、過去の登録例に拘束される理由はないものであるから、上記、請求人の主張は、採用することができない。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
◆コメント:
妥当な審決であったと考える。