◆対象商標:
「Cingo」
◆指定商品役務:
第9類「Computer programs,particularly for apparatus for recording,transmission or reproduction of sound,data or images」等
第42類「Scientific research and development」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-650044
◆審決日:
2015/09/28
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標
(1)登録第4821231号商標 「新ゴ」
(2)登録第4866820号商標 「新ゴ」
(3)登録第4869806号商標 「Shin Go」
(4)国際登録第747995A号商標 「syngo」
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
(1)本願商標
本願商標は、「Cingo」の欧文字からなるところ、この文字は、特定の意味を有する成語とは認められないものであるから、これを称呼する場合には、我が国において最も一般的に親しまれているローマ字又は英語における発音に倣って称呼されるとみるのが相当である。そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「シンゴ」又は「シンゴー」の称呼を生じるものとみるのが自然である。
また、上記のとおり、本願商標は、特定の意味を持たない語であることから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1及び2について
称呼:
「シンゴ」
観念:
特定の観念を生じない。
イ 引用商標3について
称呼:
「シンゴ」「シンゴー」
観念:
特定の観念を生じない。
ウ 引用商標4について
称呼:
「シンゴ」「シンゴー」
観念:
特定の観念を生じない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
外観:
区別し得る。
称呼:
同一又は類似する。
観念:
比較し得ない。
実際の取引においては、特定の観念を有しない文字商標について、観念によって商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であり、そのような商標の類否判断においては、称呼が重要な役割を果たすといえる。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較し得ず、外観において区別し得るものの、商標の類否判断において重要な役割を果たす称呼を同一又は類似とするものであるから、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある、類似の商標といえる。
よって、本願商標は、引用商標と類似する商標であることから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
◆コメント:
近年は称呼同一であっても、外観が明らかに区別し得る場合は非類似と判断されるケースが多いが、本審決では近年の傾向と逆の判断となった。
本審決においては、事案の特異性もなくなぜこのような判断となったのか疑問が残る。
判断基準の一貫性を望みたい。
審決公報はここをクリック。
関連