◆対象商標:
「アラウ.ベビープラス」
◆指定商品役務:
第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類,口内洗浄剤(医療用のものを除く。),その他の歯磨き,化粧品,香料,薫料」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-12411
◆審決日:
2015/12/15
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
◆引用商標
登録第5418765号商標 「ベビープラス」
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
本願商標「アラウ.ベビープラス」の構成は同じ書体及び大きさで、等間隔にまとまりよく表されたものであり、その構成文字に相応して生じる「アラウベビープラス」の称呼も、格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本願商標の観念についてみるに、「アラウ」の文字部分は、片仮名書きされた文字が辞書等に載録されている成語ではなく、本願の指定商品との関係において、慣れ親しまれた語であるともいえないことから、一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。
また、「ベビー」の文字部分は、「赤ん坊」等の意味を有するもので、「プラス」の文字部分は、「加えること。足すこと。」等の意味を有するものである。
してみると、本願商標は、それを構成する各文字の意味は上記のとおりであり、これが一体となった場合に、特定の意味を生じるものとはいい難いことから、特定の観念が生じるものということができない。
そうすると、本願商標は、その構成全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語からなる商標であると認識されるものとみるのが相当である。
なお、本願商標は、構成中に「.」の文字を有してなるところ、該文字は、英文等において、文章を完結するものとして使用されるものであるが、近年のインターネットの普及から、ドメイン名におけるラベルを区切るものとして使用され、「ドット」と称呼されるものである。
しかしながら、本願商標を構成する文字は片仮名であり、ドメイン名に通常使用されるアルファベットではないことを考慮すると、本願商標における「.」の文字部分を「ドット」と称呼するとはいい難いものであり、本願商標は、上記のとおり、その構成全体をもって一体不可分のものとして把握され、「アラウベビープラス」の称呼のみを生じるというのが相当である。
したがって、本願商標の構成中「ベビープラス」の文字部分を分離、抽出し、該文字部分との比較において引用商標と外観上近似した印象を与え、「ベビープラス」の称呼を共通にすることから、本願商標と引用商標とが外観及び称呼において類似する商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとし本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
◆コメント:
本願商標「アラウ.ベビープラス」の構成中「ベビープラス」を要部と認定することは、明らかに失当であろう。
妥当な審決であったと考える。
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