◆対象商標:
「ワンタッチネイル\ONE TOUCH NAIL」
◆指定商品役務
第3類「つけづめ」
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2015-5074
◆審決日:
2015/09/18
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
商標法第3条第2項
本件審判の請求は、成り立たない。
◆理由:
(1)商標法第3項第1項第3号該当性について
本願商標の構成中の「ワンタッチ」及び「ONE TOUCH」の文字は、「一つの操作。また、機器などの操作が極度に簡単であること。」を意味するものとして、また、「ネイル」及び「NAIL」の文字は、「爪」を意味するものとして、ともに慣れ親しまれた外来語であるといえる。
そして、本願の指定商品である「つけづめ」の分野においては、簡単に着脱できるつけ爪に「ワンタッチタイプ」の語が使用されており、また、爪の手入れやネイルアートをほどこす美容院を「ネイルサロン」、つけ爪のことを「ネイルチップ」及びつけ爪用の接着剤のことを「ネイルグルー」等と称しており、爪を表す語として「ネイル」の文字が広く使用されていること考慮すると、「ワンタッチネイル」及び「ONE TOUCH NAIL」の文字とを二段に表してなる本願商標は、全体として「簡単に着脱できる爪」ほどの意味合いを容易に理解させるものであるといえる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成全体から「簡単に着脱できるつけ爪」であることを把握、理解する、すなわち、商品の品質を認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は証拠を提出したが、本願の指定商品における販売数量や市場の占有率など、その規模を表す具体的な証拠は提出されておらず、さらには、メディア等に取り上げられた回数についても、必ずしも多いものとはいえないばかりか、ほかに請求人が本願商標を使用した商品について、積極的に広告宣伝を行ったという事実を見いだすこともできない。
そうすると、請求人提出の証拠によって、本願商標が、使用をされた結果、需要者が請求人の業務に係る商品として認識するに至っているものということができない。
よって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。
◆コメント:
「ワンタッチネイル」または「ONE TOUCH NAIL」の使用実績はないが、「ネイル」の使用実績から商標法第3条第1項第3号に該当すると認められた事案である。
判断に一貫性が欲しいものである。