「セルフレンタカー」

本件審判の請求は、成り立たない。

◆理由：

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標の「セルフ」の文字は「自分自身で、みずから」の意味を、「レンタカー」の文字は「賃貸し自動車」の意味をそれぞれ有する片仮名語として、一般に親しまれた語である。

本願商標の指定役務を取り扱う業界においても、利用者自身がドアロックの解錠や鍵の返却などの貸出しや返却手続を行うレンタカーサービスが実際に提供されている実情が認められ、そのようなサービスを「セルフレンタカー」と指称する事業者がいることも確認できる。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務「自動車の貸与」に使用するときは、これに接する需要者、取引者をして、「(利用者自身がドアロックの解錠や鍵の返却などの貸出しや返却手続を行う)セルフ方式のレンタカー(賃貸し自動車)サービス」程の意味合いを容易に理解、認識させるにとどまるというのが相当であり、単に役務の質、提供の方法を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。

よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

◆コメント：

本件においては、本願商標の指定役務を取り扱う業界にて「セルフレンタカー」の使用例がいくつか確認されている。

直近の審決傾向からしても妥当な審決であったと考える。

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