◆対象商標:
「AR インクパック」
◆指定商品役務:
第2類「顔料」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2017-9858
◆審決日:
2017/12/25
◆関連条文:
商標法第3条第1項第6号
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
本願商標「AR インクパック」の「AR」と「インクパック」との間には一文字程度の間隔があり、構成各文字がアルファベットと片仮名の差異はあるものの、同一の書体で外観上まとまりよく表されているものである。
そして、アルファベットの2字が、商品の品番、型式、規格等を表示するための記号、符号として用いられる場合があるとしても、本願商標の指定商品との関係において、商品の品番等を表すものとして使用されている事実は見あたらず、「インクパック」の文字が、「大容量のインクを充填できる商品」を表すものとして、一般に多数使用されている実情も見あたらない。
また、本願商標の指定商品との関係において、アルファベットの2字と「インクパック」の片仮名との組み合わせが、取引者、需要者に、商品の品番等を表示する記号、符号と、商品の品質を表示する語との組み合わせからなる標章の一類型として認識されるというべき事情も見あたらなかった。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する者に、一体不可分の造語として理解されるものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当しない。
◆コメント
筆者がネットで「インクパック」を検索してみたところ、本願指定商品との関係で使用されている事例は、10数個抽出された程度で、確か多数使用されている実情があるとはいえなかった。
なお、どの程度使用の事例があれば多数使用されているといえるのだろうか。
筆者が多数の審決を検討した限りでは、概ね30を超えた場合は多数使用されていると判断されるとの感触を持っている。