◆対象商標:
「MARKETINGCLOUD」
◆指定商品役務:
第42類「コンピュータハードウェア及びソフトウェアの設計及び開発,コンピュータソフトウェアの設計に関する助言,画像・リンク・映像・テキスト及びその他のブランドコンテンツの掲載、ユーザーが作成したコンテンツ及びオンライン通信の検索・並べ替え・フィルタリング・管理、ソーシャルメディア・ウェブサイト及びソーシャルネットワーク上のブランドコンテンツの管理、ブランドエンゲージメントの実績の分析・検索・管理のコンピュータシステムの設計及び開発,ウェブサイトの作成及び保守,コンピュータプログラム及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),コンピュータソフトウェアの保守,コンピュータシステムの遠隔監視,インターネットの検索用エンジンの提供,コンピュータソフトウェアの貸与,ソーシャルメディア・ウェブサイト及びその他のオンラインフォーラムにおけるユーザーのウェブサイトのオンラインコンテンツを作成・カスタマイズ・配置・スケジューリング・トラッキング・分析及び管理の目的でウェブサイトに埋め込むコードを作成するためのコンピュータソフトウェアの提供,ブランドエンゲージメントの実績を分析・モニター・管理するためのコンピュータソフトウェアの提供,ソーシャル・プロフィールにカスタマイズされたインタラクティブ・コンテンツを作成・配置するためのコンピュータソフトウェアの提供」
◆種別と異議申立番号:
異議の決定
異議2015-900086
◆異議決定日:
2015/11/17
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号
<本商標が上記条文に該当するか結果と理由をみる>
◆結論:
登録第5724176号商標の商標登録を維持する。
◆理由:
1 本件商標について
本件商標の構成は、同一の書体、同一の大きさ、同一の間隔でまとまりよく表されているものであり、これより生ずる「マーケティングクラウド」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。
そして、本件商標は、その構成中の「MARKETING」の欧文字が、「市場戦略、マーケティング(宣伝から販売までの過程)」等の意味を有する英語として知られているものであり、また、「CLOUD」の欧文字が「従来はユーザー(企業、個人など)が自分のパソコンやスマートフォン、携帯電話のハードウェアにソフトウェアや作業データなどを保存・管理していたが、インターネットに接続できる環境さえあれば、自宅、会社、学校はもちろん、ネットカフェや交通機関での移動中など、さまざまな環境からでもデータを閲覧、編集、アップロードすることができること。」を意味する「クラウドコンピューティング」の略語として、IT(情報技術)関連の分野において知られているものである。
これより、「MARKETING CLOUD」の欧文字からは、「市場戦略のクラウドコンピューティング」程の意味合いを理解、認識させるものということができる。
2 申立人らが提出した証拠について
申立人らが提出した証拠からは、「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」の文字が、申立人らが主張する「マーケティング活動を効率化・円滑化するための手段であるクラウドコンピューティングを利用して提供されるマーケティングに関する役務」、「購買者のインターネット上の購買行動などのビッグデータを活用して、必要とされる情報を適切に提供していくマーケティングの手法」程の意味合いを理解、認識させるものということができない。
3 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、「MARKETINGCLOUD」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
そして、前記1に記載のとおり、本件商標からは、「市場戦略のクラウドコンピューティング」程の意味合いを理解、認識させるものということができるとしても、それにとどまるものであって、かかる意味合いが直ちに本件指定役務との関係において、その役務の質を直接的、かつ、具体的に表すものということができない。
また、上記2に記載のとおり、申立人らが提出した証拠からは、「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」の文字が、申立人らが主張する意味合いを理解、認識させるものとはいえないものであり、本件商標の指定役務中には、「インターネット」を介して提供され、又は「オンラインフォーラム」における役務が含まれていること等を考慮しても、「MARKETINGCLOUD」の欧文字からなる本件商標が、これに接する取引者、需要者に直ちに申立人らが説示する意味合いを認識させ、特定の役務の質を表示するものとして理解させるものということもできない。
そうとすれば、本件商標は、これをその指定役務について使用しても、役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
4 まとめ
よって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当しない。
◆コメント:
妥当な審決であったと考える。
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