◆対象商標:
「ふきトリ」
◆指定商品役務:
第3類「化粧用脱脂綿」等
第5類「ガーゼ」等
◆種別と審判番号:
拒絶査定不服の審決
不服2017-12006
◆審決日:
2017/12/27
◆関連条文:
商標法第3条第1項第3号
商標法第4条第1項第16号
原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
◆理由:
本願商標は、「ふき」の平仮名と「トリ」の片仮名を標準文字で横書きにして表してなり、この文字は、文字種の違いはあるものの、構成全体として、同じ書体、同じ大きさをもって等間隔に表されており、全体として、視覚的にまとまりのよい一体のものとして把握し得る。
そして、本願商標は、その構成中の平仮名の「ふき」の文字部分は「吹き=風などの吹くこと。金属などを熔解すること。鋳造すること。」、「蕗=キク科の多年草。日本各地に自生、食用に栽培。」、「付記=本文に付け足して書きつけること。また、その文句。」等の意味を有する。
また、片仮名の「トリ」の文字部分は「酉=十二支の第10番目。西の方角。昔の時刻の名。」、「取り=取ること」、「鳥=鳥類の総称。」等の意味を有する。
これより、「ふきトリ」の文字構成において、直ちに原審説示のような「拭き取り用の商品」といった商品の品質を理解させるものとはいい難い。
また、「ふきトリ」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を直接的かつ具体的に表すものとして、取引上普通に用いられていると認めるに足る事実を発見することができなかった。
そうすると、本願商標は、その構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識されているとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、その文字構成において自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。
これより、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
◆コメント
本願商標の構成は前半がひらがな、後半がカタカナとなっており、これが本審決に与えた影響は大きいと考える。
仮に、本願商標の構成が全てひらがなのみから成るものであれば、結果も変わったのであろうと考える。